空とぶものの誘惑
仙台・宮城の情報のほか、さまざまなことを書いています。
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ヘリウムショック
※このブログでは時々バルーンに関係した話題を取り上げています。

今月に入り、世界的なヘリウムガスの供給のひっ迫の話題が出てきました。
その影響で、東京ディズニーランドのバルーン販売も中止になったり、ヘリウムボンベの
在庫がなくなっているガス業者やバルーン業者、イベント業者が出てきているようです。

このブログでは以前にも、ヘリウムは貴重品だという話題を取り上げたことがありました。
まあ、近年は日本国内のヘリウムガス消費量が減少傾向にあったので、幾分ひっ迫した
時期が伸びたのでしょうけど、アジア地域で液体ヘリウムが必要な医療MRIの需要が
伸びているので、ヘリウムショックが起きるのは、時間の問題だったのでしょう。

よく考えれば、日本は世界のヘリウムガス消費国のナンバー2。1位はアメリカで44%
ですが、圧倒的なヘリウムの産出国だからまだわかります。
でも、2位の日本がシェアが9%。 わずか1億人程しかいない国でヘリウムも産出でき
ないのにヘリウムガス資源を今まで占用してきたこと自体が異常だったのかもしれません。

今後もヘリウムガス資源を持続的に日本が占用するのであれば、新たなヘリウム供給先を
開拓して液体ヘリウムの精製まで持っていかなければなりませんが、それを日本まで運ぶのは
他のエネルギー資源と同じく海上輸送。 何か物事が起きれば供給が途絶えることもある
でしょう。

一方で、医療用MRIや半導体用途に在庫の液体ヘリウムが優先的に供給され、バルーン用途の
ヘリウムガスにほとんど回らない現実。

まあ、これは「当然」仕方ないことですし、供給が再開されても続くことかもしれません。
いくら、バルーン業者がヘリウムガスは「有限で輸入でしか得られないので貴重です」といっても
やっていることは「自然界に投げ捨てている」行為でしかないわけですから...

↓風船に使われるヘリウムガスは、こんなところに「大切に」使われています。

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※風船は広告に絶大な効果があるといっても、所詮はもらった人の扱い方次第です。

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※大切なヘリウムで野生生物を苦しめてはいけません...



ただ、いくらヘリウムが足りないからといって、ヘリウムガスでなく水素を使うと...

↓日本経済新聞 昭和62年11月2日朝刊31面より抜粋
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※日本もかつてはこんな事故がよく起きていました。風船の配布場所の近くのボンベに赤色のものが
 あったらそれは水素ガスです。気を付けましょう。


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テーマ:雑記 - ジャンル:日記

仙台市の震災復興ありがとうの...ウソ
※このブログでは、時時バルーンにまつわる話をしています。

仙台市は、昨年3月11日の東日本大震災で甚大な被害を受けました。

↓仙台市青葉区の仙台市役所の1階を見ると...
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↓日本国内外から、非常に多くの励ましの手紙や折り鶴が寄せられています。(写真はその一部)
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さて、2012年の仙台七夕のテーマは「ありがとう」。

↓2012年仙台七夕の特集が組まれた「街ナビプレス」。「祭りのキモは人にあり」などと
 書かれていますが...
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↓何でしょう?「ありがとう」の気持ちを小学生たちが感謝の思いを短冊にして風船で
 飛ばすのだそうです。
 被災地でかつ多方面からただならぬ支援を受けた仙台市は本気で「ありがとう」の気持ちを
 伝えなければならないはずですが、やってることが馬鹿馬鹿しいですね。
(飛ばす数は3000個(人)といわれています)
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仙台市内でも身内や親類を津波でなくされたりしている児童もいるはずですが、こんな
おかしなパフォーマンスで「ありがとう」を表現しているようでは。
こういうおかしなことは、大抵は大人が絡んでいるものです。タダでは出来ないことですから。

↓バルーンセレモニーとはありますが、何のことはない風船飛ばしバルーンリリースです。
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仙台市は日本国内外の個人団体から膨大な義援金や緊急救援物資を全国各地から贈っていただきました。、
被災後、全国のガス会社から大勢のガス技術者を派遣してもらい、ガスのインフラを
早期に復旧してもらいました。
そして、昨年のSENDAI光のページェントでも、全国の各都市から装飾用LED電球を借りて
イベントを遂行したのです。
...そういう様々な気持ちに対する「ありがとう」の結果が、「大人たちによりゴミ同然に扱われる
心のこもった沢山の児童たちのメッセージ」
では、仙台市は馬鹿にされるのではないでしょうか。


※まあ、こういう風船飛ばしが生物環境に良くないのは、精力的に環境保護に取り組む欧米の
 生物保護団体の調査で「常識」なのですが...
(人であってもゴムや木綿糸を飲み込んだり絡まったりしたらどうなるかってことです。)
 ただ、仙台では海まで10kmほどしかなく上空の風が東(太平洋)にながれてしまうので、
 お手紙風船の話題はほとんど出てくることがありません。
 まあ、やってることは、「単なるゴミのポイ捨て」ですね。

テーマ:仙台 - ジャンル:地域情報

答えは一つではない
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。

さて、このブログでは海外では当たり前のこととして捕えられている「風船飛ばしの生物への影響について」
をとりあげます。

日本バルーン協会のホームページ(http://jba1.jp)には、「みなさまからのご質問にお答えします」という項目がありますが、実は
よくよく考えると、これらの質問の解は1つとは限らないことに気づきます。

このブログをご覧の方なら痛いほどその意味が分かるのではないでしょうか。

この記事を見てから、2011年1月25日に発売される嵐(ARASHI)のコンサートDVDの20万個の風船飛ばしの映像を見ると
つくづく環境に悪い日本のひどさが感じられるかもしれません。
(ちなみに、コンサートでは1度に5万個ずつ4日間に渡り毎日飛ばされたので、ビデオ映像の4倍の密度の風船が実際には
飛ばされたことになります。)

2008年から毎年行なわれ続けている嵐(ARASHI)の国立競技場の大量の風船飛ばし(バルーンリリース)の
行為は、「環境に優しい」とPRしながら行なわれている悪質な環境汚染行為です。(2010年は20万個)
(右は海岸で発見された風船の破片。これがウミガメや海鳥などの野生生物の誤飲の原因になります。)
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ウミガメの漂着ゴミによる命に関わる誤飲被害は、成長したカメよりも稚カメが器官の径が小さいためにより深刻です。
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よくバルーン業者が、「カシの葉と同じ程度にゴム風船が分解する」といいますが、植物の葉は引っ張れば
破れますが、分解の進まないゴム風船は引っ張っても伸びるので破れにくいのです。
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そして我々人間もキャベツやほうれん草を食べるように、たいていの植物の葉は動物の体内で分解しますが、
ゴム風船は体内で分解はされません
ゴムはものをふさぐパッキンにも使われるほど閉塞性のある物質。動物の体内で詰まれば人間であっても
腸ねん転などを起こす恐れがあるため危険です。
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Q.イベントで風船を空に飛ばしたいのですが?(風船とばしについて)

A.風船飛ばし(バルーンリリース)についてですが、マスコミ等の報道で確かに少なくなりましたが、以下の飛ばし方のルールを守れば環境への影響を低くすることできます。

1. リリースには、ヘリウムガスを使用する事。…水素ガスの禁止
2. リリースされる風船は、エコ紙風船あるいはオブラート製でできた水溶性の環境風船を使用する。 ラテックスを原料とし「エコ風船」と呼ばれることもある『ゴム風船』は大量に飛ばした場合、生物環境への影響があるので最小限の数量の使用にとどめること。 蒸着フィルム使用のものや自然環境で生分解しないものは使用しない。
3. 使用するゴム風船の止め具に、プラスチックなどの生分解しない物は使用せず、風船自体でしばる事
4. 糸など持ち手をつける場合、分解性の高いものを使用する事。…紙ひもを推奨。ビニールや木綿糸では動物が絡まる事故が起きる恐れがある。
5. リリースされる風船はすべて単体とし、集合体でリリースしない事。
6. リリースの実施場所、天候などロケーションを考慮する事。また雨天は中止とする事。
7. 本ブログでは1万個以上の風船飛ばしは、環境への影響および環境モラルの観点から推奨致しません。
 次の質問以降にありますが、風船飛ばしは多かれ少なかれ環境への影響はあるものです。イベントに際し根拠の乏しい「土に帰るから環境に優しい」的な風船飛ばしの環境PRはお控え下さい。
8. 消費者の環境への認識が高まっている現在では、日本においても広告(TVCM、紙、インターネット媒体など)の演出として行なう場合、より一層の環境配慮が必要であり、実写での風船飛ばしの演出行為は推奨致しません。
 これは広告自体の演出による環境への影響に留まらず、マスコミ広告の特性上、映像を見た不特定多数の消費者による二次的、三次的な風船飛ばしの演出行為の実施がもたらす生物環境への影響の増大が懸念されるためです。
 実際に(大量でない場合、あるいは実際にはCGによる架空の演出であっても)自然環境に風船ゴミを放出する演出行為は、広告を製作した企業団体に対し消費者をあざむくための内容の伴わない環境政策(グリーンウォッシュ)と環境意識の高い消費者からみなされ、抗議や批判により企業団体のイメージダウンを招く恐れがあります。

「Yes!リサイクル No!ポイ捨て」を提唱する清涼飲料メーカー(日本コカコーラ)の広告。
このような広告は環境メッセージと裏腹に、広告を視聴した老若男女に生物被害をもたらすゴミの
ポイ捨て行為を促し増大させる恐れがあります。
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わずが数グラムのゴム風船の破片や木綿糸が誤飲や体に絡まることで、生物の命を奪うこともありますが、それは1年ないしそれ以上自然界で残り続けることがあります。
自然環境に飛散したゴム風船が生物被害をもたらす物であることが明らかになっている以上、それを使う人の使い方次第で生物被害も大きくなります。

我々が海でエサを付けて釣りをすれば多くの場合、数時間もあれば何らかの獲物を釣り上げることができます。
これは、海の至る所で大小様々な動物の膨大な数の捕食による食物連鎖が起きていることの一端。
でもほとんどの大小様々な動物は獲物であると認識すれば、人間が作り出したゴミも飲み込んでしまいます。
ゴムは釣りの疑似餌にも使われる一般的な素材。しかし体内で分解できないゴム風船の膜は、生分解性はあっても
ビニール袋と同様に腸管を詰まらせる恐れがあります。
釣りの餌をゴム風船の破片に置き換えれば、どれだけ誤飲の影響があるか想像できるのではないでしょうか。
(ちなみに投棄された釣り具や漁具が結果として野生生物の命を奪い続けるゴーストフィッシング(幽霊漁業)も、環境問題になっています。)

「環境に配慮し大量に飛ばして、結果数頭の動物の犠牲で済みました」では話にならないのです。
自然界に1年は残るゴミの生物環境への影響度を考えて行為を行ないましょう。



Q.当方京都で会議場を運営している者です。
さっそくですが、今回当館の庭園より、風船を1000個ほど空へ飛ばす様なイベントが企画されております。
このことに係る注意点等につきましては、貴協会のガイドラインにて拝見させて頂きました。然しながら、手前勝手ながら当館の公共性を勘案した時に懸念される、事態等に配慮したく思っております。
本件の関わる、その他法的、道義的、条例等々の諸問題があればお教え頂けますでしょうか?


A.結論を先に申しますと、日本にはバルーンリリースをターゲットにした関係する法律、条例等の直接の規制は今のところはありません。道義的な面でも、上記のガイドラインを順守して頂ければ、度を超えた数を飛ばさない限り問題は起きにくいでしょう。
しかし、海外ではクジラやイルカ、ウミガメなど野生生物保護団体数多く存在し、野生生物への影響が分かっていることから、大量の風船飛ばしの行為は環境問題となっており、反対運動や風船法が各地で制定されています。

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左からイギリスMCSUKのゴミ防止キャンペーンの一つの風船飛ばし反対キャンペーン
http://www.mcsuk.org
http://www.mcsuk.org/what_we_do/Clean%20seas%20and%20beaches/Litter%20campaigns/Don't%20let%20go%20-%20balloons
RSPCA(王立動物虐待防止協会)の風船飛ばしの害について
http://www.rspca.org.uk
https://www.rspca.org.uk/allaboutanimals/wildlife/underthewater/howyoucanhelp

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左からイギリス・オックスフォード市議会
http://www.oxford.gov.uk
http://www.oxford.gov.uk/PageRender/decER/Balloon_Releases_occw.htm
アメリカ・ノースキャロライナ州ギルフォード市
http://www.co.guilford.nc.us/
http://www.co.guilford.nc.us/planning_cms/docs/greentip/GreenTip44_balloons.pdf
アメリカ・オレゴン州
http://www.oregon.gov/
http://www.oregon.gov/DSL/SSNERR/docs/EFS/EFS12balloon.pdf

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カナダ・トロント動物園「ウミガメの保護」
風船飛ばしはウミガメや海棲生物に影響があり、生物保護のためには止めさせるべきと記されている。
http://torontozoo.com/
http://torontozoo.com/adoptapond/turtle_curriculum/unit5c.pdf

アメリカ・サウスキャロライナ州では、2011年1月には、州内で1時間に20個を超える風船飛ばしの行為を規制する
風船飛ばし規制法の制定を求め、地元の水族館とともに小学校5年生の生徒で組織する野生動物保護グループも名乗りを上げています。
子供たちも絶滅危惧種の生物をも追い込む生物被害の現実に対し、「生分解するからゴミをまき散らしていいんだ」的な実態の伴わないバルーン業界の環境PRに失望やいきどおりを感じているのです。
WCBD-TV:SC Aquarium supports bill to end massive balloon releases
http://www2.counton2.com/news/2011/jan/17/sc-aquarium-supports-bill-end-massive-balloon-rele-ar-1353385/
WCBD-TV:SC group to fight law restricting balloon releases
http://www2.counton2.com/news/2011/jan/24/sc-group-fight-law-restricting-balloon-releases-ar-1378518/
アメリカ・サウスキャロライナ州ベルトン小学校・ジュニア野生動物保護プロテクター
http://bes.anderson2.org/group_profile_view.aspx?id=0b7d267e-a88e-41f8-8200-20a8f1a8a987

一方、日本においても企業の社会的責任(CSR)が叫ばれています。

日本では漂着ゴミの回収に税金が投入される海岸漂着物処理推進法が2009年に制定され、海岸漂着物等の発生の抑制のため、意図的な放出による海外に流出するゴミについての配慮も考えるべき時代になってきました。
また、企業に限らず全ての組織を対象とする社会的責任について示されたISO26000では、組織の規模にかかわらず環境問題へ取り組むことや、生物多様性の保全活動や、環境への影響が「わからないから取り組まない」ではなく、「わからなくても、環境問題に取り組む」的な事故予防的アプローチをとる行動が組織に求められています。

さらには、2010年10月に日本の愛知で行なわれた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)において、「愛知目標(愛知ターゲット)」として、「(2020年までに)生物多様性の損失を止めるために効果的かつ緊急な行動を実施する」という短期目標のもとで、2020年までに達成すべき20の個別目標の一つに「既知の絶滅危惧種の絶滅および減少の防止、保全状況を維持・改善する」ことが明記され、国際的な連携による取り組みが求められることになりました。
COP10の「愛知」と日本の地名が付いた目標からも分かるとおり、当然「日本の様々な企業や市民レベルの環境政策も世界から見られている」のです。

日本に於いても、大量の風船飛ばしによって起きる生物被害の現実を知る人が増えてきました。
今後はその点をふまえた対応も風船飛ばしの行為に求められることでしょう。


そのほか、日本でも廃棄物処理法の不法投棄の厳罰化が行なわれており、比較的少量でも悪質なものは法人に限らず一般市民でも逮捕されるケースも出てきています。(罰金は最大で個人で1000万円、法人で3億円)
1万個の風船飛ばしは、およそ30Kgのゴムくず(実質的に乗用車用タイヤ3本分)を自然環境に投げ捨てている行為と変わりありません。
特に「環境」を意識するイベントで行なうのであれば、不必要に大量に飛ばすことで環境意識の低さを露呈することの無いようにしたいものです。


なお、イベントなどで風船飛ばしを繰り返し継続して行なうのであれば、日本バルーン協会が云うから環境に優しいという人任せ的な「受動的」な環境意識を持つのでなく、「何の環境に対して配慮するのか」という環境理念を企業自身が持たれた方がいいでしょう。

日本バルーン協会は、「バルーン販売の促進を目的とする営利目的の協会」。言い換えれば「バルーン事業の環境を守るための協会」であり生物環境保護団体ではありません。つまりイベントの実施者が環境について相談する窓口は、日本バルーン協会ではないのです。営利の追求が目的ですから仮に1度に10万個、100万個、1000万個飛ばす行為が行なわれて生物に影響が出ていても、儲けのためなら環境に優しいと云い続けることでしょう。

でもイベントを実施するのはバルーン協会ではなく、まぎれもなくイベント実施者なのです。
日本バルーン協会は環境にやさしいと云っても、大量に飛ばしていいとは云っていません。(1990年の風船飛ばし反対運動の起きた日本ではバルーン業界が一時は風船飛ばしの数量規制の検討も行なっていました。
 ゴム風船は人が飲み込んでも死亡するリスクのあるものであり、業界も生物環境へのリスクは理解しているのです。)


「土にかえるから大量に自然環境に投げ捨てていい」と勘違いをして法外な大量の風船飛ばしを実施することにより、環境を意識する一般市民や団体などから環境批判を受けるリスクがありますが、結果としてその行為を行なった環境への影響を考慮しないイベントの主催者、イベントの施工者などが、その批判を受けることになります。

イベントを行なわなければそれに伴う環境への影響は無いわけですから、環境を意識するのであれば、他人任せの環境意識にすがるのではなく、イベント実施者が環境に対する責任を持つべきです。 日本バルーン協会の「土にかえるから環境に優しい」的な根拠の乏しい環境意識を鵜呑みにしておられては、環境識者から「それならば空き缶も自然にさびるから大量に投げ捨てても環境に優しいのか?」と尋ねられて答えに窮するのではないでしょうか。

現実問題として、生物の生態より遙かにバルーンを見る時間が長い業種の人に生物環境への影響を問うこと自体に無理があるのです。 真剣に環境を意識されるのであれば、むしろゴミ問題に詳しい環境保護団体や動物の生態に詳しい動物園・水族館、誤飲の治療を数多く行なっている動物病院などに相談するべきでしょう。

中途半端な環境意識はかえって環境破壊につながるものです。
企業自らが本当に「何の環境」に優しいのか調査した上で、行為を行なうのが適切なのか判断するのが企業の方針として考えるべき本来の姿なのではないでしょうか。


なお、放出する数量は1万個以上は、環境の観点からも推奨致しません。

海外にはクジラやイルカ、ウミガメ、野鳥などの生物保護団体が非常に多く存在します。
海外の野生生物の保護意識の高さは日本の比ではありません。 クジラ、イルカ、マグロなどの日本の食文化と、世界各国の高い生物資源保護の意識の隔たりの大きさは誰もが認めるところでしょう。

世界的に見ても環境意識の高まりから現在では風船飛ばしは10万個単位で飛ばされる機会もそうはありませんし、アメリカのクジラ・イルカ保護団体「The New York Whale and Dolphin Action League」(http://ny4whales.org)は、2008年には、パレスチナ政府が飛ばした2万1千個あまりの風船飛ばしの行為に対しても、生物への危害をもたらすとして政府に抗議の文書を送っているほどです。
Letter to Palestine Government and Media Regarding the Release of 21,915 Balloons(2008/5/20)
http://ny4whales.org/balloons_palestine.html

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左からアメリカ・ニューヨーク州の「The New York Whale and Dolphin Action League」の「NO BALLOONS CAMPAIGN」。
http://ny4whales.org/noballoonscampaign.pdf
アメリカ・メリーランド州のLaMotte(http://www.lamotte.com)の資料による、環境に有害な漂着ゴミの回収のできた数(2004年)
http://www.lamotte.com/pages/edu/pdf/5939samp.pdf

オーストラリアの「オーストラリア海鳥保護団体(Australian Seabird Rescue)」のランス・フェリス(Lance Ferris)
の記事「What Goes Up Must Come Down」
飛ばして10ヶ月経過したゴム風船をひもまで飲み込んだ野鳥の救命レポートや、胃の下部に風船が詰まって死亡したウミガメの話。-50℃の環境で2ヶ月放置しても風船が粉々になることがない実験など。
また結婚式に限らず葬式で行なわれるバルーンリリースも生物環境に有害であり、成体よりも成長期のウミガメでより誤飲が深刻な事態をもたらすおそれがあると述べている。
(2番目のPDFは海鳥のくちばしから風船とひもを取り出す作業の写真が掲載されている。 また、
 3番目のPDFは、Anthony Muyt氏がオーストラリア・クイーンズランド州政府に提出した環境提言。)
http://www.fourthcrossingwildlife.com/WhatGoesUp-LanceFerris.htm
http://www.noosariver.com.au/wastewise/downloads/BOCAapr09_PlasticProblem.pdf
http://www.derm.qld.gov.au/environmental_management/waste/strategy/pdf/submissions/anthony-muyt.pdf

また、世界的にエコテロリストとして知られる環境NPO団体のシーシェパード(http://www.seashepherd.org)も「生態系と生物種(クジラ、イルカ、海ガメ、海鳥や魚類)の保全」の観点から、クラゲを主食とし絶滅危惧種のオサガメの保護にも乗り出しています。
Sea Shepherd News:We Must Act to Save the Leatherback Sea Turtle(2003/3/17)
http://www.seashepherd.org/news-and-media/news-030317-1.html

環境団体は風船飛ばしによるオサガメの誤飲の影響も当然知っているはずですが、近年日本の近海が、希少種を含むウミガメ5種も回遊する世界的にも稀少な生物多様性の宝庫といわれるようになってきました。
大量の風船飛ばしの継続的な行為は、日本国内で行なわれている行為であっても、海外の環境団体に「海洋国家でありながら生物保護の怠慢な先進国の日本」を印象づける結果となり、国際的な紛争の事態をもたらしかねません




Q.サッカーのオープニングゲームを川崎市中原区の等々力競技場で開催するのですが、その時のオープニングセレモニーにて、400~500の風船を飛ばしたいと考えております。そこで、不躾な質問でたいへん申し訳ないのですが、こうした種のイベントにかかる費用をお教え下さいませんでしょうか?現在は、まずヘリウムガスを扱うことができる方が必ず必要とのことしか分かっておりません。どうしても風船を飛ばして、視覚的にお客さんに喜んでいただきたいのですが、代理店を挟んでしまいますと、非常に高くついてしうのでご意見をお聞かせください。

A.どの程度風船飛ばしの演出の必要性を求めているのかにもよると思われます。確実にイベントを行なうつもりであればバルーン業者に見積もりを取った上で依頼するのが賢明でしょう。また、費用を気にされる場合は自前で資材と人手を用意する方法もありますが、400~500の風船を膨らますのに必要な時間や人員の手配状況によってはイベントを遂行出来ない可能性もあります。
ただし一般の方に作業を任せた場合に、中には風船に注入したヘリウムガスの吸引をなされる方もいます。風船用ヘリウムガスには呼吸用の酸素はほとんどありません。ヘリウムガスを吸い込んで声を出すのを待とうと息を止めるだけで、気を失い倒れる危険性がありますので絶対におやめ下さい。
また、ガス注入を小学生など子どもに任せているケースも見られますが、ヘリウムボンベは大きいもので50Kgもある金属の塊であり、立てたボンベの辺りで遊ばせていると転倒などで思わぬケガを招く場合があります。ボンベの周りは立入り禁止にするなど、ボンベの周辺を子どもの遊び場にしないようにご注意下さい。
また、ヘリウムガスボンベはしっかり固定の上、あらかじめガス使用の手引きを熟読の上ご使用下さい。
なお、繰り返しイベントを行なう場合は、よりいっそうの環境への配慮をお忘れなく。




Q.昨年度イベントで、環境に優しい「紙風船」を飛ばすイベントを実施しましたが、そのほとんどが「しぼんで」しまい大失敗に終わりました。そこで、今年はゴムの風船でイベントを実施したいと思いましたが、環境面への影響が気になります。自治体が実施するイベントだけに、環境面に対する配慮は、大変重要なウエート占めます。
そこで、お伺いしますが、環境に優しいゴム風船は、特別にございますでしょうか?また、最近、ゴムの風船を空に飛ばしてイベントを行った自治体、その他の団体がございましたらお教え願えませんでしょうか?


A.環境に対しての対応は、やはり重視しないといけないですよね。

何を優先順位に置くか考える必要はあるでしょう。自治体が行なうエコを意識するイベントで、税金をかけて環境に悪いことを行なっては示しが付かないですから。

2009年には日本ではゴミの回収に税金が投入される海岸漂着物処理推進法が制定され、意図的な放出による海外に流出するゴミについての配慮も考えるべき時代になってきました。
海外ではゴム風船による風船飛ばしに限らず、提灯飛ばし(ロイクラトーンのコムロイなど)も、落下後の骨組素材が生物の内臓を傷つけるとして反対運動が起きているほどです。
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スコットランドの環境団体が掲げる風船や飛翔ランタンのゴミ政策レポート(表紙)
Keep Scotland Tidy:Balloon and Flying Lantern Litter
http://keepscotlandtidy.org/balloonlitter.asp

一般に環境イベントでは大量に自然環境にゴミをまき散らすたぐいのイベントは好ましいことではありません。
イベントを通して会社の社会的責任(CSR)を問われることがあるからです。
根拠が乏しい環境意識で「環境に優しい」といわれても、知識者からグリーンウォッシュと云われるだけでしょう。

環境を意識するのであれば、風船の放出量を削減したり、より環境に配慮した素材を使うべきですが、ゴミを出さないために場合によっては風船飛ばし以外の別のイベントを企画するなど考える必要はあるでしょう。

まず、環境に優しい「紙風船」はゴム風船より取り扱いが難しいですが、これはそのまま「環境にやさしい」がゆえの手間でもあります。紙風船が水に浸かり10分で解けるのであればウミガメが飲み込むことすらほとんど無いでしょう。 水に溶けやすい点を注意の上ご使用下さい。

エコ風船といわれるゴム風船であっても、窒息の危険性があるので子どもに飲ませることはできません。(動物を人の子どもに置き換えれば、どれだけの安全性か分かることでしょう。)

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ゴム風船は膜で出来たゴム袋玩具であるために、破裂後に動物の誤飲による閉塞などの影響を与える恐れのある玩具です。
そのため、分解しやすくした配合のゴム風船であっても分解に掛かるまでの間は動物に危害を与える恐れがあります。
ゴム風船は欧米では、レジ袋と同様に野生生物への試飲の原因になることが、児童向けの環境教育などでも伝えられており、環境への影響が指摘されています。

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イギリスのエコスクールの「総合学校ゴミキャンペーン」の一部。ゴミの真実として風船飛ばしのゴム風船が野生生物の命を奪う恐れがあることを示している。
http://www.eco-schools.org.uk
http://www.eco-schools.org.uk/nine-topics/Whole_School_Litter_Campaign_Pack.pdf

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イギリス・MCS「MCSが汚染の流れを食い止めます」(ゴム風船だけでなく、レジ袋もまた野生生物の誤飲の原因となります。)
http://www.mcsuk.org/
http://www.mcsuk.org/what_we_do/Clean%20seas%20and%20beaches/Litter%20campaigns/Go%20plastic%20bag%20free

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Sea Turtle Foundation Marine Debris
http://www.seaturtlefoundation.org/stf-current-projects/campaigns/marine-debris/

海外では続々とゴム風船にまつわる動物の事故の事例が報告されていますが、残念ながら日本では、人間の子どもでも窒息死する恐れのある玩具であるにも関わらず、根拠のない安全信仰がみられます。

人はモチやこんにゃくなどの天然物でも人は窒息死することがあります。それらの食べ物は土に帰るから環境に優しいのかもしれませんが、人など生き物には気を付けるべき食べ物です。
同様に人のエゴのイベントで大量に飛ばされた風船の破片などで無駄死にする動物が出るから問題なのです。
その中にはクラゲを食べるオサガメなどの絶滅危惧種の動物も少なくありません。
無秩序の大量の風船飛ばしは環境意識の欠如を世界にさらすだけです。

バルーンリリースを行う際に気を付けなければいけないことがあります。まず第一にバルーンリリースする風船は出来る限り分解の早い風船であり、できればオブラート風船やエコ紙風船をお使い下さい。 ゴム風船では必要最小限の数量で。大量の数での放出では生物への影響が大きくなります。

また、バルーンウエディングなどで糸の付いたヘリウムガス風船を束にしたまま飛ばす事をよく見かけますが、木綿糸は衣類で主流の耐久性のある素材で1年以上の耐久性があり、生物への絡まり事故を誘発します。木綿糸ではなく分解の早い紙素材のひもが望ましいです。

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結婚式などで「環境に優しい」と無造作にこのような風船を飛ばしていませんか?
Morecambe Bay Partnership
http://www.morecambebay.org.uk
http://www.morecambebay.org.uk/PDF/BeachCare/LGASIG.pdf

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日本でも見かけるアマツバメがお手紙風船のひもに絡んで地上で保護された様子。(イギリスMCS、2010年)

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風船のひも(リボン)に絡まって命を落としたオオハシウミガラスの死骸 (Photo: Christine McGuinness)

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風船をエサと間違えてくちばしに木綿糸が絡まった海鳥。これではものを食べることもおぼつきません。「木綿糸は環境に優しい」と誰が云ったのでしょう?
ロングウッド大学・Clean Virginia Waterways・バルーン
http://www.longwood.edu/CLEANVA/balloons.htm

さらに束にして飛ばした場合は、さらに絡まりやすくなり、生物のみならず木の枝や電線などにも絡まりやすくなります。 風の強い日には風向により障害物にぶつかる可能性が高くなります。 飛ばすタイミングにお気を付け下さい。 なお雨天では紙風船はもとよりゴム風船でもイベントを行なうことが出来ません。

*ちなみに風船飛ばしに限らず、風船を大量に販促に使った場合、突然破裂することもある風船ゴミが飛散しがちとなり、清掃業者の手を煩わせることになります。環境問題は風船飛ばしだけではないことをふまえて考える必要があります。

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Q.空から風船を離した場合、それが地上に向かって落ちる風船は存在するのでしょうか?またそれが存在する場合、その風船を宣伝として用いることは可能でしょうか?
例えば、風船自体に情報を書き込んだり、宣伝情報の付いた紙を風船に付けて放すといったことです。


A.パラシュート広告と同様にアイデアはおもしろいと思いますが、落下地点が定かでなく落下後に拾われる人の安全性を確保できないためお勧め出来ません。類似の効果で屋内で行なうバルーンドロップがありますので、可能であれば検討されることをお勧めします。



Q.東京で風船飛ばしを行うとその風船はどちらの方向に行くのでしょうか?また、そこに届くまでの日数を知りたいのですが?

A.地表から高度2kmまでは地形や局地風や時間帯により変化する陸海風・山谷風の影響を受けますが、上空に行くほど西から吹く強風の偏西風の影響を受けます。そのため高々度に上昇した風船は大平洋上(つまり海)に落ちる可能性が高いでしょう。



Q.空港周辺でのバルーンリリースについてお伺いします。航空管制地域であるか否かはどうやって調べればよいのですか?

A.日本国内の各空港周辺では、航行上の安全を確保するための制限表面が設定されており、航空法によりこの表面を越えて物件を設置、留置することが制限されております。またバルーン等の存在により、航空管制業務に支障を来す可能性があります。以上のことから、協議を含めて各種申請手続きが必要となる可能性がありますので、大体実施1ヶ月程度前までに東京航空局保安部運用課03-5275-9292(内線7518~7520)あるいは大阪航空局保安部運用課06-6949-6211(内線5218~5220)にご相談下さい。



Q.個人同士での企画なのですが、風船に花の種とメッセージ付きの風船を飛ばそうと思っています(小学生のころ、イベントなどでやったこの企画をもう一度やってみたくて)。個人でやるのですが、何か問題はあるのでしょうか?
それと、ヘリウムガスは普通にお店で売っているのでしょうか?(また、売っているとしたらどういうお店で売っているのでしょうか?)風船・ヘリウムガスのほか、必要な機材はありますでしょうか?


A下記の「風船に花の種を入れて飛ばすことは,可能でしょうか?」をご覧下さい。



Q.バルーンリリースについてですが、文教地区で行う場合、周辺住民や電柱などに絡まった場合などの責任はどのようにすればよいのでしょうか。警察署や消防署、区役所などに届けが必要でしょうか。

A.場合によっては、管轄の諸団体への連絡が必要な場合があります。
鉄道や電気などの生活インフラは風船飛ばしに伴うトラブルを考慮して作られてはいません。行為を行なったことにより何万人もの人々に影響を与える停電や交通障害、人身事故などのトラブルを誘発する可能性もあります。万一の場合速やかに関係機関に連絡するのは実施者の大人の対応といえるでしょう。

・空港近郊での実施の場合は、事前に航空管制施設への航空障害物として、実施約1ヶ月前までにノータム情報の報告が必要です。(緒手続きに20日程度の日数を要するためです。)

・鉄道・地下鉄などの架線に引っかかった場合は管轄の鉄道会社へ。特にアルミ風船などの導電性のバルーンの場合は必ず連絡してください。
また、鉄道内への持ち込みで鉄道員から飛翔防止の対応を求められる場合があります。鉄道員の指示に従ってください。

・高圧電線にからまった場合漏電などが起きて、思わぬ感電事故の原因となる場合があります。特に糸が地上にまで垂れている場合は人身事故になる場合があり危険です。お近くの電力会社へご連絡下さい。

なお、周辺地域でクリスマスイベントなどに伴う電飾のイルミネーションの仮設中に、イベント主催者に確認もなく風船飛ばしイベントを行なったことが原因で、高所のケーブルに風船のひもが絡まるなどした場合、ケーブル工事を行なう電気工事会社との紛争問題になる恐れがあります。
必ず事前にイルミネーションイベントの主催者に了解を得てください。

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鉄道構内では、案内や駅員の指示に従ってください。

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この変圧トランスの周辺には常時三相6600Vの高圧電力が掛かっています。

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ひもを介しても感電する危険性があります。

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変電所などの高圧電源施設の周辺地域もイベントの開催を控えるのが無難です。
(東北電気保安協会のパンフレット「おしえて!?電気の正しい使い方」より)




Q.風船を空に飛ばした場合どの位の時間で上空8キロに達するのですか?また8キロに達して割れるまでにどの程度の距離を進むのですか?(風の強さによるとは思いますが標準では?)なるべく遠くまで飛ばす為の秘訣はありますか?

A.まず勘違いして頂きたくないのは、ゴム風船の飛揚は、燃料ロケットのような推進力(作用・反作用)による上昇高度を確保された飛翔ではなく、ヘリウムガスの浮揚力と、風船のゴム膜が残りどれだけ伸び続けられるかに掛かっていることです。つまり上空8km(8000m)までの上昇を保証するものでありません。
(残念ながらバルーンに詳しいはずのバルーン業者が、バルーンの飛翔の仕組みに不理解で、8000mまで必ず上昇するようなおかしな説明をしているのです。)
この上空8000mの数値は、実測で求められたものでなく計算で求められた厳密ではない試行的なものですし、ほとんどの場合、人手による丼勘定でヘリウムガスを注入しています。当然ガス注入量にばらつきがありますし浮力も異なります。さらには風船自体のサイズの違いや品質にもばらつきがあるので、この数値は参考にもなりません。
(東京の民放放送局のTBSで実測調査した風船飛ばしの結果は、実験開始後約34分で高度約3100mで破裂しています。)
なお、遠くまで飛ばす場合は、一般には浮力の大きさよりも、上空で一定の高度をどれだけ維持できるかに掛かっているでしょう。上空の局地的な強風域の起こる前線の発生している状態で飛ばすと距離をかせぐことが出来るでしょう。




Q.天然のゴムなら、分解されるとのことですが、分解されるまでの間に、魚が間違えて食べてしまい、のどにつまらせたりする危険性はないのでしょうか?ウミガメなどの、すこし身体の大きな生きものは、間違えて食べても分解されなくて、そのまま出てくるというのは、わかります。 実際、犬のふんから、風船を発見したことがあります。ただ、比較的小さな身体の生き物の場合はどうでしょうか?

A.ゴム風船は時間の経過により劣化によりいずれは分解しますが、分解するまでの間にウミガメや海鳥のほか多くの動物が誤飲したり、木綿糸に絡まるなどにより死因となることが、長きにわたる海外の生物保護団体や動物園、環境団体のレポートにより示されています。
保護されたウミガメが飲み込んだゴム風船を排泄するのに4ヶ月もかかり衰弱した事例や、人やフェレットなどの動物でも誤飲が死因となる事があります。
風船飛ばしの行為により、数百Kmの距離の遠距離を飛行して破片が落下することもありますが、その落下した場所にも生物のいとなみがあります。
野生生物はたべものとゴミの分別ができません。必要最小限の数量にとどめ、多量の風船飛ばしの行為は環境モラルの面でも慎みたいものです。


(ちなみに日本では、フィッシング(釣り)においても、日本では合成樹脂やゴムなどでできた疑似餌(ワーム、リグなど)が、釣り場に大量に残留したことから生態系を荒らすとして、疑似餌の禁止や釣り行為自体が禁止されている湖沼があります。)

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破裂によりクラゲのように見える風船の破片。 ウミガメにはクラゲを主食とする絶滅危惧種のオサガメなどの種があります。
Bayside Bulletin / The Redland Times紙「Balloons kill bayside turtles」(2008/11/3 04:36 PM)
http://www.baysidebulletin.com.au/news/local/news/general/balloons-kill-bayside-turtles/1350557.aspx

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海草にも見える風船の破片。しかしよく見ると細かくなっているのは周囲の部分だけで、多くの部分は膜のまま(いわゆるクラゲ状)であることがわかる。
Monterey Bay Marine life Studies
http://www.marinelifestudies.org/




Q.風船に花の種を入れて飛ばすことは,可能でしょうか?また,どの様な花の種が良いのでしょうか。飛ばすための風船は,口で膨らませたものでも良いですか?

A.基本的には尖った部分の無い種子であれば風船の中に入れて飛ばすことは可能ですが、植物には在来種の植物の生育を脅かす外来種問題や雑草問題があります。無秩序にまかれる種ですから、迷惑となりにくい植物の種を選びたいものです。種入り風船でも飛ばす数は最小限で。 なおヘリウムガスでなければ飛ばすことは出来ません。ヘリウムガスを別途手配し、口で膨らませることはおやめください。

なお、「花の種を入れて飛ばしたから環境に配慮した」と宣伝するのは自己満足でしかないのでやめた方がいいでしょう。
少なくとも、行っていることは種をまいているのではなく、「野鳥のえさ」もしくは「雑草」をまいている行為でしかありません。
種まきの時期を合わせて人手によりしっかり決められた花壇などの場所に肥料を施した土の中に入れて、手塩にかけて間引きをして育てたひまわりの花と、イベントの時期の都合で時季外れに海に落ちるか、道路に落ちるか、森林に落ちるかわからず、時の運でまかれたひまわりの花とでは成長の度合いは比べるまでもないでしょう。

単純な種まきでは、種まきの時期を意識するものですが、ことこういう風船飛ばしで種を飛ばす場合、
イベントの時期に左右され花の満開の時期に種をまくなど、なぜか種まきの時期を考えないものです。

一例として、2011年7月24日に「復興・夏まつり仙台すずめ踊り」の開会式で飛ばされたひまわりの種入りのゴム風船。
種まきから開花まで約2ヶ月かかるので、上手く芽を出して成長したとしても、最低気温が低下し、キンモクセイが香る10月頃にひまわりが開花することになります。
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海に落ちれば芽は出ませんし、地上に落ちても滋養のあるひまわりの種は野鳥の好物なので少なからず食べられてしまう事でしょう。そして成長したとしても成長した場所の持ち主が気にくわなければ、雑草扱いで草刈り鎌が待ち構えています。 そういう現実を考えればお世辞にも環境に配慮しているとはいえません。
ひまわりの種も生き物です。ひまわりの種の成長にとってどちらが幸せか考えましょう。





Q.風船は土に返るって本当?(環境問題について)

A.まずご質問に答える前に明らかにしなければいけないことがあります。
それは、ゴム風船の環境問題は風船飛ばしで環境にまき散らした後に野生生物の死因となることと、環境美化の観点で問題があるということです。輪ゴムが経年劣化することは常識であり、「土に帰るから環境に優しい」というのは、単なる環境問題のすり替えでしかないということです。
(言い換えれば、業界関係者が生物への影響問題を公にせずひた隠しにしようとする時点で、生物への影響があることは事実といえるのでしょう。)

ゴム風船は基本的には数ヶ月ないし約1年で分解されるといわれています。また木綿糸はそれより長く1年以上は持続し続けます。 しかし期間にウミガメや海鳥などの野生生物が誤飲や木綿糸の絡まり事故で命を落とす一因になることが知られています。

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木綿糸の巻き付きは人の指であっても危険です。木綿糸が水を含むと縮んで強度がさらに増します。
(木綿糸は見た目によらず耐久性のある天然繊維です。 このブログでは屋外に放置された風船用の木綿糸が切れるのに3年4ヶ月を要することを確認しています。)

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風船の木綿糸が足にからんだドバト。糸を取ろうとくちばしで糸をつついているうちに木綿糸が水分を吸って縮み、ついには血の通わなくなった足は腐って取れてしまいます。

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このような、釣り糸などの生物被害は、「テグス被害」といわれ、日本国内でもドバトに限らず多くの野鳥で毎年報告例があります。

日本野鳥保護連盟・テグスによる野鳥の被害
http://www.jspb.org/tegusu/tegusu.html

ゴム風船は木の葉(樫の葉)と同じくらいの早さで土に返るといわれています。ただし樫の葉は引っ張れば破れますが、ゴム風船は劣化が進まないと我々人間が引っ張っても伸びて容易に破れにくいので生物への安全性の単純比較はできません
また、水に濡れた樫の葉は分解性が落ちるといわれています。ゴム風船はゴムが伸びた状態で直射日光にさらされ続けることにより、劣化が進行するため、海に風船が落ちた場合には、野生生物に影響を与える期間が長引くことを暗に示しています。

ゴム風船の環境問題は、土に返る素材であっても、人のエゴのイベントでそれを大量に自然環境に投げ捨てることで、無駄死にする動物が出るから問題になっているのです。それはまた人間の環境美化の意識の欠如の問題ともいえることです。




Q.今度、行事で、風船をとばしたい!と考えております。しかし、夜の行事なのです。そこで、自然にやさしい、ゴム風船で、蛍光などで、夜空に光る!そんな夢のような風船はあるのでしょうか?

A.風船自体が発光(夜光)する風船は市販はほとんどされていません。また蛍光色の風船もありますが、ライトアップをしなければ期待できる発光色は得られないことでしょう。
なお、ボタン電池付きのLEDランプを搭載し発光する風船用バルブがありますが、環境負荷が大きいため風船飛ばしに用いることは絶対におやめ下さい。

バルーンリリースする際は、バルーンの口元で直接結ぶかあるいは、速やかに自然に返るもの(木綿糸よりも出来る限り紙製のひも)をご使用ください。糸は束ねたまま飛ばさず短くし、風下に電線等に無いように飛ばすタイミングに注意して下さい。




Q.マイラー風船の環境への危険性についてはどうなのかを知りたいのですが、何か知っていることがあれば教えてください。
ゴム風船の環境への安全性は100パーセントなのでしょうか。とあることから、風船に関する真実を調べています。数値的であればあるほど幸いです。
あと、年間に飛ばされている風船がどのくらいあるのかも御存じでしたら教えて下さい。


A.1つ目のご質問はマイラーバルーン(メタリックバルーン・UFO風船・フイルムバルーンなど)の安全性ですが、ナイロンやポリエチレン、PET(エバール)などのフィルムに必要に応じアルミニウムのコーティングがされたバルーンです。
基本的には食品安全上の問題はないと考えられますが、食品包装用の袋と違いアルミニウムのコーティングは強い摩擦や水分ではがれやすいという欠点を持っています。 口で膨らませたりなめるようなことはおやめ下さい。
また自然界では分解はされにくく、クジラなどの生物の誤飲死の原因となることがありますので、空に飛ばすのは止めてください。

2番目の質問として風船飛ばしでエコ風船と呼ばれることがあるゴム風船ですが、先に申し上げたとおり、分解するまでの過程で動物が誤飲や木綿糸の絡まりで命を落とす恐れがあります。 つまり安全性は100%ではありませんし、飛ばした数が多ければ多いほどそれに伴う犠牲も増える恐れがあります。

バルーンリリース(飛ばし)ですが、1990年代初頭に新聞やテレビで環境問題として大きく取り上げられ「公害」であるとたたかれたことがあります。


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50 SIMPLE THINGS(R)公式サイト
http://50simplethings.com
「50 SIMPLE THINGS YOU CAN DO TO SAVE THE EARTH」(1989年初版バージョン。28番 DON'T LET GO」58ページに記載。)
http://50simplethings.com/50ST_Original.pdf

1990年に、新聞の書評で「地球を救うかんたんな50の方法」という本で「マッコウクジラがアルミ風船を飲み込んだり、ウミガメがゴム風船を飲み込んで死亡する」ことを知った当時の広島県の某小学校の生徒やその保護者らが開校記念日で行う予定だった風船飛ばしの行為の自粛を求め、すでに140万個という尋常ではない数のギネスブックの世界記録もあったこともあり、風船飛ばしの動きは、たちまち全国に広がり、各地の自治体イベントや遊園地のイベントや東京ディズニーランドで年末カウントダウンで行なわれていた10万個規模の風船飛ばしも中止になりました。

日本のバルーン業界は「子供に夢を与える」とされてきた風船そのもののイメージまで損なわれるとして、1991年3月には「風船は子供の味方!鳥や魚の敵でもありません」と題し「ゴム風船の材料は天然ゴムなので、太陽に2ー3カ月さらすと分解して土に戻る」「動物が飲んでも未消化で排せつされる」などの内容をまとめPRを始めたのです。

業界では違った表現であることの検証例等を提出し、訴え続けました。
「動物が死亡する原因はデマであり、生分解性はするので問題はないのだと...」

けれども、現実にはそうはなりませんでした。



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「ゴム風船が哺乳類や海亀の死亡原因となる説は、学者や研究者の科学的な実証研究により完全に否定されました。」という日本のバルーン業界のパンフレット「Balloon story」に出てくるゴム風船を使った風船飛ばしの環境PR。
しかし、残念ながらそのPRには一番肝心な「事実」が伴っていませんでした。


環境を真剣に考えるエコロジストの問いに対し、日本を含むバルーン業者の多くが不誠実でした。

 日本では風船飛ばしに使うゴム風船をあえて業者がエコ風船と名前をつげ変えていることがあります。ウミガメなどの野生生物の命を奪う恐れのあるものに、生態系(Ecology=ECO.)を意味する「エコ」という名前を付けているのです。

 水に落とすとおもりと風船の間の水溶紙が溶けて空に放たれるドロップアンドフライ(水中バルーンリリース)という演出もありますが、飛ばされる風船はやはり生物被害の恐れのあるものです
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 またミカンの皮に含まれるリモネンが発泡スチロールや天然ゴムを溶かすので、浜に打ち寄せる漂着ゴミの処理に使えると話題になったことがありますが、当然ながら海に漂う膨大な漂着ゴミ問題を解決することはできません。

 環境にまき散らしたゴミをすぐに「なかったことにする」ことはできないのです。
((特に世界的規模で風船ゴミの被害が表面化した2006年以降)「天然物なら環境に無造作にまき散らしていい」と視聴者に勘違いさせようとする動きがバラエティ番組などを中心にあったことは、業界と繋がりのある日本のマスコミにも責任があります。)

その一方で、業者がPRで用いる風船飛ばしの安全性の評価が、現実に起きている都合の悪い事実を取り上げない歪曲したものであったため、のちの多くの環境団体による継続した環境調査や実験などにより、海岸部の風船ゴミの急増が明らかになったり、とどまることのない生物被害の相次ぐ報告、-50℃でも風船は粉々にならないなど資料の内容と事実が異なるという指摘で、事実と矛盾が出てきたのです。

元々が生分解性のゴム風船で起きた生物被害。「生分解性だから問題ない」という道理は通用しませんでした。その証拠に現在まで海外では数多くの環境への影響のレポートが続々と示され続けているのです。


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動物保護団体が保護した野生のウミガメからゴム風船や輪ゴム、新聞紙など誤飲したものを取り出す様子。
果たしてこれが、バルーン業者が謳う「環境に優しい」ことなのでしょうか?
Kermit, a green sea turtle rescued from the surf in Virginia Beach, was sickened by eating trash. (Contributed photo from Virginia Aquarium.)


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ビーチクリーンアップ運動で浜辺に打上げられた風船で作られた「風船ウミガメ」。 ビーチクリーンアップ運動で回収できる風船は、たまたま浜辺に打上げられ人手により拾うことができた自然環境にばらまかれた風船全体のほんのごく一部ですが、パネル展示されたこれらの風船ですら放置すればウミガメや海鳥など野生生物を苦しめる恐れがありました。 海洋ゴミの危険性の認識を高めてくれるこのパネル展示はヴァージニア州のファースト・コロニアル・ハイスクールの学生が製作しましたが、その背景には2008年にバージニア水族館で保護された若いアオウミガメ「kermit」の胃の中から風船が出てきたという事実があります。

米国バージニア水族館 Release Seals Not Balloons(保護されたウミガメの体内からゴミを摘出する様子の写真と「風船ウミガメ」などの展示を行なう写真記事。)
http://www.virginiaaquarium.com/Lists/NewsReleases/Attachments/71/SnufflesRelease.pdf
米国バージニア水族館 Kermit the Green Sea Turtle Returns to Sea
(風船を飲み込んだアオウミガメ「Kermit」が海に帰される記事。2009/6/17)
http://www.virginiaaquarium.com/Lists/NewsReleases/Attachments/34/Kermit-Returns-to-Sea.pdf

現在では、上記に揚げたように世界の多くの動物保護団体や生物学者、大学・動物園、動物保護施設などが風船飛ばしが有害であることを認めています。

絶滅危惧種の命にも関わる生物の環境評価に、「完全に否定」などという実態の伴わない美辞麗句は無用であり、グリーンウオッシュでしかありません。


日本国内ではその生物被害の事例はマスコミなどでもほとんど取り上げることがなく、生物への影響問題は事実上隠蔽されていました。 しかしインターネット社会となった現在では日本人でも海外での写真や英文の文書などの情報リソースにより、改めて「風船飛ばしはやはり野生生物に影響がある」ことを知る人が増えつつあります。

蛇足になりますが、「上空8000mの-40℃の環境で破裂して粉々になる」や「天然ゴムを使用し続けることで、熱帯雨林(のちにアジア)のゴム生産国を援助し、緑を保ち二酸化炭素の削減に役立つ」などといわれる話は、風船飛ばしの資料を作った当時のマレーシアのゴム業界がゴム産業の保身や促進のために製作した、風船飛ばしの行為を正当化するためのPR用の資料です。しかし皮肉なことに後にマレーシアが工業製品に国の産業構造を転換し、プランテーションをはじめとするゴム産業が衰退したことから「アジアの生産国の援助」とPRの内容を変えているのです。残念ながらそこには生物保護の意識はありません。

*日本国内で1年で飛ばされるゴム風船の数の資料はないように思われますが、朝日新聞の記事(1991年4月5日朝刊11頁)にあるように、日本ゴム風船商工会の1990年頃の試算で、空に飛ばされる風船は、ゴム風船の年間消費量約2億5千万個のうち約1%の250万個程度と推計されています。 また近年はガーデンウエディングなどの演出で増加傾向がみられます。




Q.風船にガスを入れて止めておくものなんですが,プラスチック製は分解されないから使わないほうがいいんですよね?風船自体でしばるようにとあったのですが,もっと便利な自然にやさしい物はないのでしょうか?

A.プラスチック製のバルブやクリップは、自然環境に放出する目的で無ければ、問題はありません。
また紙製のクリップもあり、こちらは自然には優しいとされていますが、水に濡れると糊料が多く溶け出てきます。 環境に優しくてもゴミはゴミですので出来るのであれば使わない方が好ましいでしょう。

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紙製のクリップは厚紙を貼り合わせて作られているので、濡れるとのりがしみ出て粘りが出てきます。これは、どうぶつエコクリップなどでも同様です。 なお、紙製のクリップでも水溶性のひもでなく木綿糸などを使っていれば野生動物の絡まり事故を誘発する点は同じです。 自然環境に放出することは好ましいことではありません。


米国バージニア水族館で保護されたアオウミガメ「Kermit」の体内からは、ゴム風船の他、輪ゴム、新聞紙など我々人間の人工物といえる日用雑貨が出てきています。このことは投棄ゴミの対応に「ゴム風船」を例外扱いすべきではないことをウミガメが身を挺して示しているのです。

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やっぱり影響があるんだね
※このブログでは時々バルーン関係の話題を取り上げています。

こんな話題があります。


アメリカのノースカロライナ州では、以前より風船飛ばしバルーンリリース)の反対運動を行なっていましたが、
取りやめる動きが出ています。
しかし、それはゴム風船が環境に影響がないからではなく、むしろ環境に影響があるとして、風船飛ばしを行なっている人が
罰金として250ドルを支払う罰金刑に変更した方がいいというもののようです。

【record.com:Town drops plan to ban balloons at the beach(2010/12/10)】
http://www.news-record.com/content/2010/12/10/article/town_drops_plan_to_ban_balloons_at_the_beach#nrcRgn_PgBody


Town drops plan to ban balloons at the beach
町は、浜辺で風船を禁止する計画を打ち切ります。

Friday, December 10, 2010 (Updated 8:07 am)  
By The Associated Press
2010年12月10日am8:07更新 Associated Pressより

WRIGHTSVILLE BEACH (AP) — Leaders of a North Carolina beach community are reconsidering banning balloons from the shore.
ライツヴィル ビーチ(AP伝)-ノースカロライナのビーチコミュニティのリーダー達は、陸地からの風船飛ばしの禁止を再考しています。

The StarNews of Wilmington reports Friday that the board of aldermen in Wrightsville Beach voted to shoot down the ordinance.
ウィルミントンのStarNewsは、金曜日に、ライツヴィル ビーチの市会議員の会議が条例を打ち切るための投票をしたと報告します。

The ban was proposed to keep the inflated materials from getting away from children and floating into the ocean. That's where sea turtles can mistake them for food.
この禁止法は、子供たちが手放すことにより、ふくらんだ風船の素材が海に浮き続け、それらをウミガメがよく食物と間違えて誤飲することから提案されました。

Wrightsville Beach leaders think a better solution would be a law fining people $250 if a balloon is released anywhere in the town.
ライツヴィル ビーチのリーダー達は、より良い解決法は町のどこかでバルーンリリースをするならば、その町民に250ドルの罰金を科す法令だろうと思っています。

Balloons already are outlawed on signs and not allowed at special events.
風船飛ばしの行為は、すでに禁止事項と明示されており、特別の行事でも認められていません。



※やっぱりねぇ...環境も考えず1つのイベントで20万個もバルーンリリースをしている日本は
 環境後進国のようです。
 「土にかえるから環境に優しい」のであれば、もちやこんにゃくゼリーの窒息事故だって起きません。

 日本国内ではここに来て国際共通語ともいえる英語を勉強しようとする動きが加速していますが、
 プラスチックバッグ(レジ袋)とともにゴム風船が生物環境に悪影響を与えることは、英語を
 共通語や公用語として理解できる国の多くで「既知の事実」として知られています。


仲間同士でレジ袋を引っ張り合いして飲み込もうとしている白鳥。(MCS)
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テーマ:雑記 - ジャンル:日記

お手紙風船がツバメの命も奪う
※このブログでは時々バルーン関係の話題も取り上げています。

さて、このブログをご覧の方はご存じと思いますが、欧米では現在風船飛ばし(バルーンリリース)の
反対運動が盛んになっています。

それは、野生に棲息する絶滅危惧種のウミガメや海鳥などに誤飲やひものからまりで危害が及ぶという
多くの根拠からなのですが、この2010年夏にまた新たな事実が報道されています。

風船に付けた手紙(お手紙風船、おてがみ風船)のひもがからんだアマツバメが、英国海洋保全団体
MCS(http://www.mcsuk.org)のスタッフに保護されたのです。

【MCSUK:Swift action shows that balloon ‘Don’t Let Go’ campaign is vital
(ツバメの姿が「風船飛ばしをやめよう」キャンペーンの重要性を示しています)】
http://www.mcsuk.org/what_we_do/Clean%20seas%20and%20beaches/Pollution%20and%20litter%20problems/Swift%20reaction%20as%20charity%20bans%20balloons%20releases

その記事が、英国の小中学生世代向けの公称4万部の週刊タブロイド誌「FirstNews」の動物ニュースに
取り上げられました。

【First News:AnimalNews「Swift injured by balloon」(2010/7/29)】
http://www.firstnews.co.uk/news/swift-injured-by-balloon-i2029


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Swift injured by balloon (風船で被害を受けるアマツバメ)

A swift has been injured by a balloon set free in a balloon race. Does this mean that we should ban balloon races?
アマツバメは、風船レースで解き放たれた風船によって被害を受けました。これは、我々が(エコ風船などのゴム風船を大量に飛ばす)風船レースを禁止するべきであることを意味するのでしょうか?

A TINY swift has been found on the ground after getting tangled in a balloon string, sparking a debate about releasing balloons into the sky.
小さいアマツバメが、風船の糸でもつれ合った状態で地上で発見され、空に風船を飛ばすことについての議論が起きています。

The Marine Conservation Society (MCS) say the swift shows the dangers of balloons to our wildlife.
It highlights the importance of their ‘Don’t Let Go’ campaign.
海洋保全団体(MCS)は、アマツバメが風船の野生生物への危険性を示していると伝えています。
それは、彼らの「Don' t Let Go!(やめさせよう!)」キャンペーンの重要性を際立たせています。

The campaign encourages people not to allow balloons to go free, on their own or in a mass balloon releasing.
キャンペーンは、各々でまたは大量のバルーンリリースにより、風船を放出することをを認めない人々を奨励します、

Not only can the strings affect wildlife but, when the balloons burst, the pieces can be swallowed by animals by accident.
糸が野生生物に影響を及ぼすだけでなく、風船が破裂したとき破片を思いがけず動物により飲み込むことがあります。

What do you think?
どう思いますか?

Should we ban balloon races in case they injure animals?
動物を被害を受けるならば、我々は風船レースを禁止するべきですか?

Vote on our poll at www.firstnews.co.uk/polls and let us know.
www.firstnews.co.uk/pollsで、我々のこの世論調査に投票して、考えを教えてください。

その結果ですが...
【First News:Polls:Should balloon races be banned? (2010/7/29)】
http://www.firstnews.co.uk/polls/should-balloon-races-be-banned-i191


Polls:Should balloon races be banned?
世論調査:風船レースは禁止されるべきですか?



A swift has been injured by a balloon set free in a balloon race.
The Marine Conservation Society (MCS) say the swift shows the dangers of balloons to our wildlife.
アマツバメは、風船レースで飛散した風船により被害を受けました。
海洋保全団体(MCS)は、アマツバメが我々に野生生物に風船の危険性を示していると伝えています。

Should we ban balloon races in case they injure animals?
動物が被害を受けるならば、我々は風船レースを禁止するべきですか?



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賛成意見として
・You don't know where it will land so its better safe than sorry.
・that dangoures
・they shouldn't be banned. just because 1 swift got injured they shouldn't be banned
・yes they should
・they shouldn't hurt wildlife
・its a big danger to small animal
・I think all animals should be saved!
・Its not fair on our wildlife. We shouldn't put them in danger
・It can effect the environment if helium!!!
・Banning them is maybe going a bit far, but if it is a threat to the wildlife, then stop them.

一方の反対意見として
・you just have to be more carefull
・balloons r cool
・I understand it hurting animals, but it is alot of fun and always for charity.
でした。


賛成意見を見ると、野生動物に危険だ、生物を守れ、止めさせるべきだという意見が目立つ一方、
反対意見はステキだ、環境への影響は分かるが、多くのファンがいてお金集めに必要だという意見があります。
でも「風船飛ばし、バルーンリリース」の行為が、野生生物に世論に影響している事実を理解しつつも
英国では参加者にお金を募り行なわれる風船レースが集金目的など割り切りで行為が行なわれていると
いうことが多いという背景もありそうです。
ただ、最近はこのMCSの風船飛ばし反対運動の効果も現れてきたのか、海岸に打ち寄せる風船ゴミの数は
やや減少傾向にあるようです。

しかし、この出来事は海外の話と片づけてはいけないのですね。日本にもアマツバメは生息しますが、
日本ではこの風船飛ばしの弊害問題は大きな話題となっていないのです。
(NHKを含め日本のマスコミが意図的に取り上げていないことが一因です。)


我々日本人は「環境にまき散らせば、環境に優しい」なんて業者の口車に乗せられている場合ではないのです。
日本の結婚披露宴などで、よく木綿糸を付けてよくゴム風船をエコ風船と名前をつげ変えて、飛ばしています。
でもアマツバメのこの事例はその糸を付けていることが原因で起きているのです。


この気の毒なアマツバメの姿が日本のバルーン業者が掲げる「環境にやさしい」ことなのでしょうか?
 そして我々日本の一般市民も知らず知らずのうちにこのようなことに加担していませんか?

(2年前のカレイのお手紙事件も起きていることは本質的にこの事例と変わりありません。)
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(地上で保護されたアマツバメ。保護されてなければ、餌も獲れず衰弱し、猫など他の動物に食べられたことでしょう。)

けれども風船飛ばしやお手紙風船の行為を人間が行なわなければ、このアマツバメもこんな目に遭わなかったはず。
元を絶てば問題は起きないのです。

日本人が環境立国だと胸を張るのは、中国や韓国と比べても、ゴミや外来種の動物を自然環境に投げ捨てて
起きる様々な環境問題を見る限り、まだまだ時期尚早なのでしょう。


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英国Keep Wales Tidyが指摘する、日本人が知らないバルーンリリースの本質
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。

今回取り上げるのは、英国・ウェールズの美化保全団体Keep Wales Tidy(http://www.keepwalestidy.org)が
提言する風船飛ばしの環境への影響と施政方針レポートですが、大意を訳してみました。
多少は間違いがあるかもしれません。英文を読める方は原文の方でお読み下さい。

この風船飛ばしに関するレポートですが、何と14ページにもわたる大作。
おそらく日本国内では環境団体を含め、バルーンリリースについてここまで環境への影響や法律調査
・研究をしている文書を見つけることはできないでしょう。

風船飛ばしの効果と環境への影響と実態調査はもとより、風船飛ばしを正当化する資料が作られた
組織的な背景とその根拠に対するこの団体の批判、風船飛ばしに反対する根拠と団体、風船ゴミの
環境法的な問題、バルーン業界の独自の規約を制定しても実施者がそれを見ていない現実や、
「風船ゴミは風船飛ばしでだけ出るとは限らない」というゴミ問題の本質などを取り上げ、それらを
総合して風船ゴミを解決するための団体の方針を示す内容です。

一般に知られる世界でたった1つの風船飛ばしの正当性を掲げるDKバーチェット氏の資料。
日本でも日本バルーン協会の風船とばしの資料で引用されていますが、実は当時のマレーシア最大手の
ゴム産業の協力によりバルーン商業団体の関係者が資料の制作に携わったのです。

そんな風船販売を生業とする関係者がつくる宣伝PRを兼ねた資料。商品の利点を自画自賛することは
書いても、「都合の悪い事実」は知ってても書かないものです。

こういう「言わぬが花」「知らぬが仏」「うそも方便」などというのは「世のことわり」ですが、
生物環境の調査までそうされては、誤飲で死亡する恐れのあるウミガメなど影響を受ける動物は
たまったものでないでしょう。

でも、この資料は日本の「土にかえる、だから環境に優しい」という子供だましとは訳が違うのです。

日本では未だにそのような、バルーン業界に都合のいい資料を信じる人もいるようですが、海外では
先に挙げた綿密な文書を読んでいる人も少なくないはずで、その考えでは外国人から下手をすると
「もっと環境について視野を広げたほうがいい」と言われてしまうかもしれません。

日本では風船飛ばしをターゲットにした条例や法律は「航空法」以外はにないように思えますが、
ゴミの排出の削減の努力を事業者に求めている「海岸漂着物処理推進法」も全く関係ないという
わけでありません。

日本では近年、企業の不法投棄が問題となり、河原や海岸で音楽ガンガン、ゴミ投げ捨て放題、おまけに
近隣の住宅地に夜間にロケット花火や爆竹を頻繁に打ち込む有様。
タバコが大増税になってもポイ捨てや健康に悪いと喫煙者への同情は多くありません。
そんな様々な投げ捨てが現在社会問題になっているのです。
国内の海岸で打ち上がったウミガメの体から風船から出てきたとか、ドジョウやカエルなどを食べる
自然環境に放鳥したトキが風船を飲み込んだり、足に風船のひもが絡むだけで、世論が風船飛ばし反対の
動きに風向きが変わってしまう恐れすらあるのです。

海外には、ここまで真剣に風船飛ばし(バルーンリリース)で生じるゴミ問題や生物への影響を調査する
美化保全団体もあるのです。

日本が環境立国をめざす上でも、野生生物保護の観点から見ても「法律がないから闇雲に環境に投げ捨てて
いい」などとは勝手に思わない方がいいのでしょう。


【原文・Keep Wales Tidy’s Draft Policy Paper on Balloon Releases】
http://www.keepwalestidy.org/1242.uploadfile.dld


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ろうと・制約
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↓この装置ですがウミガメの胃だと思ってください。
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↓あれっ、そこに風船の破片が...
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↓風船の破片が先の狭まった部分に沿って葉巻状に丸まっていますね。
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↓こちらは膜の一部が折たたたまれて胃の出口を閉塞し、水もたまっています。
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↓ゴム風船(エコ風船)は、水が付いて膜の一部もしくは全体が張り付くと、袋状になったり形状記憶性のある強度のある弁の役目をして水や食べ物を通しにくくするのですね...
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↓ウミガメの消化管の構造。(舌骨~大腸)。胃の前にはトゲがあり、管の狭まっているところがいくつもあります。
(詳細は出典の日在-和泉浦の海を育みウミガメを守る会「ウミガメの解剖方法」や、日本ウミガメ協議会「ウミガメ解剖マニュアル」を参照。)
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ウミガメの胃腸にはプラスチックや釣り糸,釣り針も多く見つかるといいます。そのような異物に引っかかると、相乗効果でさらにウミガメに危害が加わることになるのでしょう。


ただ、風船の誤飲は何もウミガメに限った話ではなく、多くの動物で死亡例が報告されています。
ちなみに嵐は「環境にいい」と国立競技場のコンサートで3年間(2008-2010年)に40万個も自然環境に風船を飛ばしました。


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捨てる「神」あれば、疲労「カメ」あり
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あれっ、あんなところに風船が落ちてるよ。誰が捨てたんだろう。
近くのゴミ箱に入れればいいのに。

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でも、嵐は太平洋に面した東京国立競技場から、今年もエコ風船飛ばしで自然環境に20万個もばらまきましたよ。

↓嵐のコンサートの1回5万個のエコ風船飛ばしと、のちにとある海岸でひろわれた風船。
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ええーっ!!20万人がゴミのポイ捨てしてるのと、やってることが変わらないじゃないの!?


欧米では風船飛ばしの一つの単位を500個としているのでこのイベントだけで一般のイベントなら400回分。
1日に500個ずつ毎日飛ばしても、1年間で飛ばし切れません。

また見方を変えると、嵐のメンバーは5人だから一人で4万個ずつ。
毎日1個ずつ捨てたとして約110年。多くの人は一生かかってもできない数ですね。


でも、そんなこと去年もおととしも行なっているんでしょ。
こんなゴミのばらまきやって大丈夫なの?


いいわけはないでしょう。単なる環境モラルの欠如ですね。
日本では昨年「海岸漂着物処理推進法」が制定されて、事業者もゴミの減量に努めないといけないのです。
自然に分解されるから投棄ゴミを増やしていいなんて事はない。
嵐のメンバーがエコロジストを自認するのであれば、当然知っていて欲しい事柄なのですけどね。
それなのに風船飛ばしの行為を通して2年でゴミの量が10万個から20万個に倍増している。


イギリスじゃあ10年で3倍に海岸の風船ゴミの数が増えたんで、風船飛ばしの行為が環境問題になってるけど、これはそれどころじゃないよね。
この環境意識のていたらくぶりは。


まあ、「みんなが同じことをやりだしたら大変だ」と思う環境意識があれば、普通は風船は飛ばさずに来場者に配りますよ。普通は...

↓タバコのポイ捨てやティッシュペーパーの投げ捨て。
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まあ、確かにそうだよね。 コンサートの後でオークションに出品されて風船1個に5000円も払う人がいるんだから。
それが別の意味でも環境にいいかっていったら...


このブログをご覧の方はご存じだと思うけど、バルーン業者が風船飛ばしの根拠の常套句で使う「上空8000mで破裂して粉々になる」という俗説が実地調査でなく、机の上で関数電卓を叩いて求めたものだと知ってがっかりした人も多いんじゃないかな。

(本ブログ「根拠を読もう」を参照。)
「上空8000mの-40℃の気象条件の下で低温のために風船が粉々になる」というのでは、「風船が粉々になる」という話だって怪しくなる。
↓-41℃の冷凍庫内で膨らましたゴム風船に針を刺したところ。粉々になるどころか、破裂音もせず
 ポリビニル風船のようにゆっくりと空気が抜けました。

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(本ブログ「グリーンウォッシュ (Greenwash)」を参照。)
結局は環境について、みんな協会の提唱する「都合はいいけど根拠の怪しい説」を引用して、環境への影響に対し反論はしてるけど、「じゃあ実際本人たちが上空8000mで破裂するのを観察しているの?」というとそういうわけでない。
(本ブログ「サカスさん」参照。)
実際に本当に野生生物の安全性を最後まで見届けてくれる業者は皆無なんだよね。

おまけに「風船500個を飛ばしても3900ヘクタール(東京ドームの834倍)の広さの地域に風船が1個が落ちる計算」という俗説も、イギリスの海洋保全団体MCSの1996年から毎年恒例の海岸清掃の実態調査で1996年から10年間で風船ゴミが約3倍。海岸線を100m歩けば平均1個以上見つかるまでに風船のゴミが増えたことが2006年に明らかになってしまった。自然環境を考えない風船飛ばしが金儲けの道具になっている以上、バルーン業界の自主的な風船ゴミの抑制は任せられないとみんなが気づいてしまったんだね。

日本のバルーン業界には「バルーン業務安全管理講習」というものがあって、バルーン施工に携わる人の多くが講習を受けているはずなんだけど、環境意識ってその程度しかないのかなぁ...



日本では科楽実験や環境番組でリモネンで風船を割ったり、韓国から日本の浜辺に流れ着いた発泡スチロールを溶かすようなことを、以前テレビのバラエティ番組で頻繁にやってました。
でも、当然だけどリモネンなんて物質が自然環境にそうそうあるモノではない。
「そういう物質があるから風船を環境にばらまいていい」と視聴者に錯覚させる業界の魂胆もあったのでしょう。

それから以前あった下の事例もそうですが、NHKや民放各局が大々的にニュースで取り上げていて異様でしたね。


↓日本で2008年に話題になった、14年ぶりにサメガレイが運んだ風船の手紙。
 よく見ると黒く汚れた木綿糸に対する妙に不自然な風船の赤の鮮明さ。
14年も経過したら輪ゴムも切れるだろうし、高分子体のゴムなら微細な泥がゴムの分子に入り込み、くすんでおかしくない。
しかも破片も結び目と縁巻きの間の薄いゴム膜に破れているところが見えない不思議。
でも木綿糸だって木綿のTシャツを屋外に14年も放置したらボロボロ。普通は糸の体もなしていないのでは。
(このブログでは自然環境下で樹木に掛った木綿糸が3年で切れたことを確認しました。)
使用している紙も耐水紙という、日本で環境問題が叫ばれた風船飛ばし反対運動後の学校のイベント行為にしては不自然。
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↓後から取って付けたかのようにも見える風船の破片と木綿糸。 風船の口の縛りの凹凸もはっきり識別できる、何らかの動物の歯形があっても良さそうな物だが、木綿糸も切れておらずとっても白い。とても屋外で14年も経過して劣化したように見えない。
(上の嵐の風船の結び目(10日程度経過後)とも比較。)
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欧米では10万個も飛ばすと環境に良くないと環境団体の抗議活動が起きるのですよ。

党大会のイベントでも以前は10万個規模の風船飛ばしが行われていたんですが、抗議活動が起こると環境を配慮しない悪い党のイメージが付くので、今では風船を天井から落とすドロップバルーンという演出が一般的です。

まあ、太平洋に面した海に囲まれた先進国なのに、大規模な海洋生物への危害を伴う風船飛ばしが起きても、抗議行動を起こしていないのは日本くらいなものですね。



そういえば、「エコ」と名前が付いているくらいだから、当然土にかえるんだよね?

日本人は天然とかエコとか名前が付いているだけで、明確な根拠もないのにすぐに環境にいいものだと勘違いしてよくだまされるものです。

だけど、エコ風船は天然のゴム風船なので土にかえりますよ。カラフルな土になりそうですが。
しかも分解されるまでの何か月か1年位の間にそれをウミガメや海鳥などが餌だと思って飲み込み腸に詰まらせて死んだりしますし。




風船は水に溶ける?
↓バルーンリリースは雨の日には行なわれません。風船の表面に大量に水滴が付けば浮力も打ち消されて浮かなくなります。
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↓一部で「風船は水に溶ける」と言う人がいます。(風船の成分として微量に溶け出すことは事実です。)
 でも、数ヶ月放置すれば分かりませんが、水がゴムを速やかに溶かす効果はほとんどありません。
  ゴムが水に容易に溶けるようでは、ゴム製の水ヨーヨーも玉ようかんも作れません。
 (ちなみに直射日光のない雨天下では、屋外に日中置いてもゴム風船のつやが失われることは少ないです。)
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破片はどうなる?

↓風船の破片はゴムが伸びきり、大きな破片として飛び散ると、膨らます前の2倍近いの面積の膜となる恐れがあります。

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分解する風船

↓未使用でも劣化はします。 風船同士が張り付きやすくなった風船。
 (写真はクオラテックス・クリアグリーンで10年以上経過。 ただし風船のブランド、色、ロット、そして保管環境によっても大きく異なります。また一般に複数の色を混ぜてパックした商品はゴムの成分の違いなどで化学変化を起こしやすく劣化しやすいです。)
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↓ゴムのり状に溶けることもあり、糸を引いています。でも劣化しても風船の色がほとんど変わらないことに注目。
(半年以上膨らんだままの状態で劣化し破裂したもの。ちなみに粘着性のゴムが手に付いたので、この後手を洗いました。)
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↓劣化しやすい風船もあり、変色した部分は大きく強度が劣化します。
(鉄腕DASHの番組の「巨大バルーンアートを作る」回にあったようにごま油などの植物油が入れられることがあるようですが、この風船の変色を見ると、風船の成分が消費者に公開されることなく、時間とともに酸化する油が口に含んで使われるゴム風船に安易に加えられることに疑問を感じる人もいるかもしれません。)
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↓毎年イベントで配布される風船。3年前のこの風船は劣化が1年程度で大きく劣化が進みましたが、よく見るとクリアファイルに触れた部分で大きく劣化しています。 そう、たまたまクリアファイルに添加された軟化剤や可塑剤(フタル酸など)とゴム風船が反応したみたいですね。どのように変質したのか気になるところです。
(このクリアファイルに入れていない翌年以降のものは、ほとんど劣化は見られません。)
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↓落下の実例。
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業者さんは「土にかえる」とばかり声高に言いますが、根拠となる写真の提示などはしないものです。

何に変わるかは分かりませんが分解はする、環境に優しいエコ風船(ゴム風船)。
これらを触ってみたいと思いましたか? そして、まき散らすことが環境にいいと思いますか?



なるほどぉ、エコ風船ならば環境をわきまえず堂々とまき散らして捨てていいし、ウミガメなどの野生生物の命も無造作にうばう。ひもも付ければ餌だと思って上空から急降下した海鳥の足や体に巻き付く。そりゃあ世界中のウミガメの保護団体や生物保護団体も大喜びだね!

↓欧米では風船飛ばしの生物への影響が一般市民に知られており、反対を表明している地域や環境団体も少なくありません。
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↓野鳥のくちばしに絡んだ風船の木綿糸。あなたは縁起のいい結婚式のバルーンリリースで、
 水に溶けない糸の付いた風船を飛ばして野生生物を不幸にしていませんか?

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環境立国の日本が、満を持して世界の環境団体に自信を持っておすすめできる「ゴミとして散らかり、海岸にも打ち寄せ、野生生物の命も奪い土にかえる、とっても環境に優しいエコ風船」ですね。


※最後は皮肉たっぷりのアンチテーゼですか...
 世界には何千社も風船工場がありますが、わずか数社が自然界に分解されやすい風船を本当に作ったとしても、他の大多数の風船工場が従来の分解されにくいモノを作っていては仕方がないのです。
 本当に安全だといえるようになるのはエコ風船とも呼ばれる天然ゴム風船の説明書に「誤飲で窒息の恐れ」の注意書きがされなくなり、その品質の風船が広く普及したときでしょう。

↓日本を代表するバルーン商社のゴム風船商品の説明書。 人間はともかく
野生動物の誤飲の危険性は?10091597.jpg

 ゴム風船にはアート製作・展示用に強度を持たせたバルーンアート用風船が市場で幅をきかせています。その中には、風船太郎のパフォーマンスにあるような人が入り飛び跳ねることができる強度のある風船もあるほど。

風船飛ばし(風船リリース・バルーンリリース、飛翔風船)の行為はバルーンショップの人だけが行なっているとは限りません。
仕事のノルマがお金だと思う披露宴のバイトのデコレーター、イベント施工業者、イベント派遣スタッフ、イベントの期間アルバイト。そして「風船はどれも同じ」とプラスチック製のバルブやクリップの付いた配布用風船や、余ったバルーンアート用風船の処分で風船を飛ばすイベントの一般ボランティア、一般市民など、環境意識の不確かで何も分からずイベントの施工をしていることも多いわけです。

そんなバルーンアート用の風船も実際には風船飛ばしに混同して使われている以上、風船飛ばしが野生生物に安全だということはできないのです。




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エコ風船の風船飛ばし、バルーンリリースの真実

※このブログでは、時々バルーンにまつわる話題を取り上げています。

先日は、このブログで日本バルーン協会が、風船飛ばしの安全性を示す根拠
として用いられるD.Kバーチェット氏の資料を取り上げましたが、
先日の国立競技場のの4日間で20万個(1日5万個)のバルーンリリース
風船飛ばし)の反響もあったようです。

↓1日5万個、4日間で20万個...
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そこで今回はイギリスの海洋保全団体MCS(MCSUK http://www.mcsuk.org/)の風船飛ばし反対キャンペーン
「Don't let go!」の大意を訳してみました。
(誤訳もあるかもしれません。英語が読める方は原文をお読みください。)

その中で興味深かったのは、風船の誤飲で死ぬ野生生物が多いということ。
そして若く小さいウミガメが天然ゴム風船エコ風船)を飲み込むと
排泄に4ヶ月かかることもあり衰弱してしまうということ。

ウミガメ100頭が大人になる頃には1頭程度しか生き残らないことや、
弱肉強食の自然環境では風船を飲み込むことがそのまま死を意味してしまうの
かもしれません。

先日のコンサートで自然環境に20万個もまき散らしたゴム風船(エコ風船)。
 これは見たところ9インチのようですが、破片のひだが物に絡まりそうです。
小さいウミガメや海鳥が食べたら大変なことになりそうですね...

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※9月3日に飛ばした風船がとある浜辺で見つかったということです(9月12日)。その浜では先日は4個見つかっています。
(当然ですが元がゴム風船なので水に溶けている形跡は見られません。)
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日本では2009年に海岸漂着物処理推進法が制定されて、業者もゴミの排出量の削減が求められて
いるはずなのですが、一方で太平洋岸で1つのイベントで20万個も風船飛ばし
いいのでしょうか...今後歯止めのきかない大変なことになる気がします。


大きいウミガメは定置網の混獲で命を落とすケースも多いといわれます。
でも、誤飲されるエコ風船(天然ゴム風船)は成体でない小さいウミガメの
腸をふさぐことによる栄養失調で、餓死や生物に食べられやすくなるワナを
ばらまいているのと同じ
ことを頭に置く必要があります。
それは、このようなコンサートなどの大量の風船飛ばしでも、少数でも
全国各地で数多く行なわれている結婚式のバルーンリリースでも同じです。


日本で風船飛ばし環境に優しいという環境評価の根拠が、先の海外の
D.Kバーチェット氏の資料の「土に還る」というのが主な根拠ですが、欧米でもその根拠は浸透しているものの、むしろ「土に還る前の風船による誤飲やひもに
体が絡まることによる野生生物への危害」の方が重要視されている
ことに
気づく必要があります。

土に還るといっても海に落ちては分解は遅くなるのです。
分解されていない風船で誤飲するようでは元も子もありません。



今の日本における根拠のない「エコ風船」ブームははっきり言って異常ですが、「土にかえるならば野生生物の命を脅かしていい」のか?
日本人の生物多様性の意識やモラルの一端が問われているのだとも思えます。

以下の文章を見てあなたはどう思いますか?


【MCSUK:dont let go.pdf】(原文)
http://www.mcsuk.org/downloads/pollution/dont%20let%20go.pdf

↓本文

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「エコ(ECO)」という「エゴ(EGO)」
※このブログではバルーン関係の話題を時々取り上げています。

2010年8月下旬にかけてウミガメにまつわる話題が多くなってきました。

その中での気になったのは、生まれたばかりのウミガメの子ガメが、水銀灯などから発せられる紫外線に
引き寄せられて海に行かず堂々巡りを体力を失ってしまう「光害」の問題。

三重県の志摩・国府浜で起きた事例では自治会、行政がすぐに動き、照明を落とすなどの対応をとったと
いうことです。

こういうスピード感のある対応というのは気持ちのいいものです。
でも、このウミガメの「光害」というのは、海外ではこの数年で広く知られるようになってなっているのです。

【Turtles in Trouble(アニメ「ウミガメの災難」)イギリス観光財団が放送局BBCや海洋保護団体MCSの協力により製作したウミガメ保護レクチャーアニメ】
 http://www.youtube.com/watch?v=FwZx8Lz3Jyk
 【The Travel Foundation:Turtles in Trouble】
 http://www.thetravelfoundation.org.uk/index.php?id=212

日本ではこの光害をする人はどれ位知っているのでしょうね。海外では上のようなウミガメの生息地がダイビングスポットであることもこのレクチャー映像が
作られている一因なのかもしれません。
日本のウミガメ協議会も連続ドラマ「ウェルカメ」に協力するより、わかりやすいレクチャービデオを作る方が重要だと思うのですが...

そういえば、先日の「 紳助社長のプロデュース大作戦! 」の中ではウミガメの子ガメの放流で、タレントが携帯電話の照明を当てて子ガメを驚かせていた
という話もありますが、日本人の環境保護に対する意識はからっきしなのかもしれません。




そんな中ですか、ジャニーズの(ARASHI)の国立競技場のコンサートでまた5万個の風船飛ばし(3年連続)を行なったということです。

「エコ風船」を使ったということですが、何のことはなく、誤飲をすれば窒息の恐れもある天然ゴム風船です。

天然ゴム風船ですが、いま欧米ではウミガメや海鳥など野生生物の生命を脅かすものとして大量のゴム風船飛ばしの反対運動が起きています。
↓イギリス・MCSの風船飛ばしバルーンリリース)反対運動のパンフレットの一部。
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でも、別に海の生物だけが危ないわけではないのですよね。 陸上に住む犬やネコなどの野生生物やフェレットなどのペット。
そして人間だって誤飲で命を落とすことがあるわけですから。(”誤飲 風船”で検索エンジンで調べてみましょう。)


今回のコンサートはのメンバーが企画したということですから、「こういうゴミを意図的に、何万個、何十万個と
自然環境に投げ捨てることが環境に優しい」
ということなのでしょう。

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ただ、これではゴミ箱の周りにゴミを無造作に投げ捨てているのとやってることは変わらないですし、こんな商売目的で数分間の演出のためだけに
こんなことを繰り返しやることを野放しにしていては、海岸漂着物等の発生の抑制などを記した「海岸漂着物処理推進法」が機能していないですし、
生物多様性の会議COP10の行なわれる日本は環境後進国のレッテルを貼られそうです。


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根拠を読もう
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さて、バルーンリリースが自然環境に害を与えないという根拠をまとめたD. K バーチェット氏の資料を
ご存知でしょうか。

この文書は日本バルーン協会の風船飛ばしの資料としても引用されていますが、この資料は英文で記載されており
、英語を日常語としない日本人はあまりなじみがないのかも知れません。

そこで、この記事ではその資料の大意を訳してみました。 原文に誤った英語がやや多いため訂正した文字を
赤くしています。
また、不本意な誤訳もあるかもしれませんがご容赦願います。

なお、内容は一見いいことづくめの甘美な言葉の羅列となっていますが、基本的にゴム風船は膨らまして
相当時間直射日光に当てないと劣化が始まりにくい
ことを頭におく必要があります。
また、6週間の風船の劣化実験は劣化加速テストであり、現実には分解には数ヶ月~1年のスパンで分解に
時間がかかる恐れがあります。

↓木に引っかかり落ちたゴム風船。袋ではなく首のうちバルブでゴムの伸びたところが劣化して亀裂し
 下に落下したことが分かる。 また一方で風船本体はそれほど劣化していないことも分かる。
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なお、本来この文書が非の打ち所のない内容で、市民が納得できるのであれば、今頃大量の風船飛ばしの
反対運動など世界中にないはずですが、現在は反対運動がむしろ激しくなっているのは、このブログを
ごらんの方はご存知だろうと思います。

【キープ ウェールズ ティディ:レポート・バルーンリリースで意図的に環境にまかれる風船ごみを取り巻く問題(2008)】
http://www.keepwalestidy.org/1242.uploadfile.dld

つまり、この文書はバルーン業者が増加してバルーンリリースも増大した場合の自然環境への影響が
考慮されていないのです。


イギリスの海洋保全団体の調査で10年で3倍にも海岸に打ち上げられる風船の数が増加し、現在
バルーンリリースの反対運動が起こされているのは、残念ながらバルーン業者の本心が出た結果でしょう。
また、日本でも2008年、2009年と嵐のコンサートで連日5万個もバルーンリリースを行って
いましたが、これではイベント実施者や施工者の自然環境への意識に疑問が投げかけられることでしょう。

これは、日本における近年のガーデンウエディングなどの結婚式場の増加と屋外アトラクションの
傾向から見ても日本近海の海洋生物への影響が懸念されることです。
(数ヶ月で分解されるとしても、リリース後数十分で海に落ちることも多いのが日本の地理的状況です。
そんな状況で一度に何万個で毎日というのが理解に苦しむわけです。)


この資料をよく見ると、バルーンの劣化試験はバルーン製造会社はわずか2社だけの試験。
ゴム風船の分解を促進させるには、膨らました状態で数時間直射日光にさらす必要がある
ことは日本人でどれだけの人が知っていたでしょう。
(夜間のバルーンリリースはあまり環境に好ましくないのかもしれません。 先の嵐のイベントは
2008年、2009年そして2010年も夜のコンサート。どこのイベント業者が施工したのでしょうね...)

もしかして我々日本人は、実体のない「天然」、「環境に優しい」、「環境に配慮」などの言葉に踊らされていませんか? 環境にいいなら際限なく自然環境に投げ捨てていいと思っていませんでしたか?
「土にかえる」「土の微生物で分解」といっても、やることをやっていないと分解はやはり遅いのではないでしょうか。


また、上空5マイル(8000m)まで上昇するという話も、TBSのテレビ番組のサカスさんやほかの
民間の実験で多くは3000~4000mまでしか到達せず、飛行時間は1時間半ではなく30分では
ないかという疑惑も出ています。
すると、零下40℃のゴムの凍結粉砕説の仮定や落下風船の濃度の検証も意味がなくなってきます。
破裂高度の推測に一般的な楕円球体ではなく正球体の形状の風船の破裂時の体積値に基づいている
ことも一因かもしれません。
また、日本テレビ系のサプライズでは零下41℃での実験で低温が原因で伸びたゴムが縮まなくなり風船が粉々にはならないことも
分かりました。 一説には粉々になるにはむしろゴム膜が極限まで伸びきる必要があるといわれています。

↓浮力がたかだか数グラムしかない風船の落下は、必ずしもゴム膜が限界点まで達して粉々に破裂するとは限りません。
 (写真は波状の破断面のみられる典型的な風船の破片。)
10081293.jpg

風は現実には一方向だけに吹くわけでなく反対に吹くこともありますし、無風で滞留することもあります。
もっとも落下風船の濃度も同心円で同じ濃度なはずはなく、地域によっても濃度は違うはずです。
雨が降れば雨粒の重さで風船はそのまま地上に落下します。雨天でバルーンリリースが行なわれない一因です。

その一方で、海棲生物や海鳥などの誤飲問題がマスコミにも取り上げられ看過できない問題となってきた
現実もあります。
アメリカ西海岸の広大な「ごみの海」の一部は日本から流れ着いたごみでできているのはいうまでもありません。

日本の気象庁では近年は、一部の気球観測から電波レーダーによるウインドプロファイラに置き換わっているほか、
都市圏のラジオゾンデの落下は回収の煩雑さや大規模な停電事故につながる恐れもあり、気象予測で都市圏に
落下が予想される場合は気球観測を行なっていません。

【気象庁・高層気象台「ゾンデの飛翔予測情報システムの利用について」(高層気象台彙報第65号 2005年3月)】
http://www.kousou-jma.go.jp/share/publication/archive/2005/pdf/65_3_Iwatsubo.pdf
近年,交通網の発達や都市域の拡大により落下したラジオゾンデについての通報が増加し,時には建造物や樹木等に引っ掛かり,撤去を要請されることがある.オゾンゾンデ観測では,観測データの利用目的及び飛揚器材が大きく全長が長いことを考慮し,平成16 年4 月から落下位置が主要空港とその周辺や大都市の市街地等に予測される場合は,事故防止を優先に翌日以降に飛揚を延期することになった.この落下位置予測には,業務支援プログラムとして,ゾンデの飛翔シミュレーションプログラム(中野・藤田:2002)である落下位置予測プログラムが利用されており,当該オゾンゾンデ観測時刻に最も近いレーウィンゾンデ観測及びオゾンゾンデ観測(以下「直近」という;3.2参照)におけるゾンデデータを用いて予測を行っている.(抜粋)

気象観測用途であっても観測行為によって起こりうる社会への影響や損害リスクを意識する時代になりました。


果たして、そのような事実を踏まえた上でこの資料はどの程度まで信用できるのでしょう?


以下、本文

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あなたが気づけばマナーが変わる、の本質
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。

先日ですが、オーストラリアでこんな話題がありました。
オーストラリアのクイーンズランド州で気候変動問題と環境の持続可能性を担当する環境大臣の
ケイト・ジョーンズが10年以上風船飛ばしの規制を行なっているニューサースウエルズ州に加えて
クイーンズランド州も規制の導入
の草案が検討されているというのです。

海に面したイギリス、アメリカ、シンガポール、オーストラリアなどでは国や地域により大量の
バルーンリリース行為の規制がありますが、その背景には近年の海洋のプラスチックゴミや
ゴム風船などのゴミを体内に詰まらせて死亡しているウミガメ海鳥などが急増しているという
背景もあるようです。

環境保護グループは、「無駄な省くだけでなく、海洋動物の死亡率も減らす」と長い間主張していますが、
クイーンズランド新聞には風船のようなプラスチック状のゴミがウミカメの体内から出てくる記事が
毎年出てくるといいます。

ケイト・ジョーンズは草案の作成が、浪費の上に成り立っている人間生活の、地球の環境負荷の影響を
抑えるための議論のきっかけにもなる
としています。


Helium balloon ban at govt events(自治体主催のイベントのバルーンリリースを禁止する」AAP伝2010/08/01)
http://news.theage.com.au/breaking-news-national/helium-balloon-ban-at-govt-events-20100801-110y4.html

A community discussion to cut down on waste may see helium balloons banned from Queensland government events.
The state government says the move will pull Queensland into line with NSW, which has banned the mass release of lighter-than-air balloons at government functions for more than a decade.
Climate Change and Sustainability Minister Kate Jones says conservation groups have argued for years that the move would not only cut waste but reduce the death rate of marine animals.
"In fact, Queensland Newspapers has published an article every year about turtles ingesting plastic such as deflated balloons," she said.
Ms Jones said Queenslanders could still have their say on the new draft strategy to cut waste.
"Nowhere in the draft strategy does it propose to ban helium balloons at private functions, or any functions not sponsored by the state government," Ms Jones said.
"The draft strategy is intended to generate public discussion about actions we can take to reduce the impact of waste on our environment."


近年様々な動物に関する環境調査が報告されてきています。
先のブログに挙げた死亡した海鳥のヒナから使い捨てライターが出てきたとか、死亡したオサガメの4割の
体内からビニール袋やゴム風船が出てきたとか。
以前、NHK教育テレビの環境番組の名古屋港水族館で飼育している大きいウミガメにお菓子の袋や500mlの
ペットボトルを口の近くに近づける実験では、いずれのゴミも飲み込もうとしていました。
こんなものを飲み込み続けたら大変なことになりますよね。

日本で風船飛ばし反対運動が起きた1990年代はまだ自然環境の調査について、海洋生物の調査が
まだまだ未熟だったのかもしれません。

だからでしょうか、風船飛ばしの資料にゴム風船を1個飛ばした場合の環境シミュレーションはありますが、
何千個、何万個と一度に飛ばした場合の環境調査の資料がないのです。
(1個飛ばす行為は風向・風速を調べる上では意味はありますが、極端にいえば8000m上空から落とすと
 東京ドームの834倍の土地のどこかに落ちるというもの。 「風下に多くが流れる」的な視点はありませんし、
 風下では飛ばした数ほど汚染(濃度)が高まる(それにより海洋生物の誤飲の可能性が高まるetc)という
 有害物質などの大気拡散の環境アセスメント評価的な視点がないのです。この調査の意図は何でしょうね。)

しかし近年はイギリスのMCSをはじめとする環境保全団体が、ビーチクリーンアップ運動で綿密な環境調査を
継続的な行なっているほか、ナショナルジオグラフィック社をはじめ多くの環境研究機関が、生物に
直接GPSの追跡装置を装着して回遊調査を行なったり、ビデオカメラなどを装着する調査なども行なわれ、
一部の調査結果の映像の公開や、環境啓発活動にYoutubeなどの動画サイトも使われるように
なってきました。

世界中の人々が野生生物の生態を映像を通して関心を持って理解をしやすい、世界規模で環境保全の活動を
取り組みやすい世の中になってきたのかもしれません。


【Negative Effects of Plastic Bags(あらゆる動物がビニール袋の犠牲になっている)】
http://www.youtube.com/watch?v=85VFxKWcstM

【Turtles in Trouble(アニメ「ウミガメの災難」)イギリス観光財団が放送局BBCや海洋保護団体MCSの協力により製作したウミガメ保護レクチャーアニメ】
http://www.youtube.com/watch?v=FwZx8Lz3Jyk
 【The Travel Foundation:Turtles in Trouble】
 http://www.thetravelfoundation.org.uk/index.php?id=212
【Plastic Kills Sea Turtles _short.(プラスチックなどによるウミガメの災禍)】
http://www.youtube.com/watch?v=7cCza9z07F0
【Turtle-Cam Shows Jellyfish Lunch(ビデオカメラを装着したウミガメがクラゲを追いかける映像)】
http://www.youtube.com/watch?v=adgduwI1xsc
【Sea turtle eating plastic bag remnants(ウミガメがビニール袋を食べるところ)】
http://www.youtube.com/watch?v=JR3qCpFzp5c

【Seagull Eating A Plastic Bag(ビニール袋を飲み込むカモメ)】
http://www.youtube.com/watch?v=gF0isy3a1ew
【Death in Paradise(海鳥の死因調査)】
http://www.youtube.com/watch?v=C7cMihMeq3Y
【Pacific Ocean Plastic Garbage Dump(海鳥誤飲死問題)】
http://www.youtube.com/watch?v=p8sWpyY3pkk
【Pacific Garbage Dump- Nightline(2分38秒辺りでプラスチック&バルーン(風船)をクラゲと間違えて誤飲する説明が入る。)】
http://www.youtube.com/watch?v=8a4S23uXIcM

【Bryde's Whale Dying from Plastic Bag Ingestion(クジラですらビニール袋で命を落とします)】
http://www.youtube.com/watch?v=iEqotOUgBA8
【Dolphins and plastic bags(イルカに絡まるビニール袋)】
http://www.youtube.com/watch?v=5zQdtzPfaZQ

【Fish Eating Plastic Bag(魚もビニール袋を食べている)】
http://www.youtube.com/watch?v=-8aSb7SXWKs

【不条理のハト(風船のひもが足にからんだハトの映像)2005年8月10日撮影)】
http://www.youtube.com/watch?v=vC0npm3YXr0

魚は焼いて食べたりもしますが、どうして環境ホルモンが問題になるのか...分かりますね。
ちなみに、最後のハトの映像は私が見つけて撮影したものですが、この目で実際に見た光景が
バルーンリリースの安全性に疑問を投げかけるきっかけになりました。

このようにインターネット上には、環境評価をする上でのリソースが増えてきました。
映像の内容はおそらく多くの日本人が考えているよりも深刻。
あなたはこのような映像をご覧になりどう思いますか?


日本近海にも生息する絶滅寸前の世界最大のウミガメのオサガメは大きくなると体長2m超、
体重500Kgを優に超えるものもあるといいますが、主食となるクラゲなどの1日に食べる量は
100Kgにも達し、昼夜関係なくほとんど体を休めず海面だけでなく海底に潜って一日中餌取りを
しているといいます。

※ウミガメは肺呼吸で、定期的に呼吸をしに水上に上がらないと窒息してしまいます。
 一般にはは爬虫類、鳥類、哺乳類や成体の両生類などが人間と同じ肺呼吸をしています。

何百キロもの体を一日中動かして泳ぎ、1週間で軽自動車1台分にも相当する重さのクラゲを食べ、
時にはその重量のある体で人より早い時速20Kmを超える速度で素早く泳ぐオサガメ。

日本人は「うさぎとかめ」の寓話でカメは遅いと思いがちですが、肉食性のカメやスッポンを見れば
分かりますが、案外動きは速かったりするものです。

【my cat and turtle(ネコにちょっかいを出し、追いかけるカメ)】
http://www.youtube.com/watch?v=fJr2evLANsE

当然のことですが、目の前にいつも餌があるわけではありませんし、食べることのできない期間が続けば
じきに泳ぐこともままならなくなり餓死してしまいます。
おそらく自然界のウミガメは目に見えたクラゲを捕えるべく動き回り、栄養にもならない人間が生み出し
自然環境に無造作に放出したゴム風船の残骸も何十回何百回と繰り返し貪欲に誤飲しているのでしょう。

風船飛ばしの資料にゴム風船をカメに1度、2度亀に食べさせても問題はなく排泄されたとレポートに
ありますが、人間だって糸こんにゃくを食べ過ぎれば腸捻転による腸の壊死が起きることもあります。
(上記の上から3番目の映像に出てくるウミガメのお尻から長いビニール袋が出てくる映像を見ると
 「何度食べさせても問題ない」という気にはならないのではないでしょうか。6番目の5分もかけて
 食道に押し込むようにビニール袋を飲み込んだカモメ。分解されずに排泄も困難だろうと感じたとき、
 カモメに死が差し迫っていることに気づきます。本当に気の毒で仕方ありませんね。)

またオサガメの食道は食べ物を貯める器官とも云われ、U字状に曲がり胃に向かってトゲがびっしりと
生えているといいますが、分解の遅いバルーンウエディングで飛ばすような風船などに付いた絡まった
ひもなどを飲み込んだ場合、ものを取り出す手を持たないウミガメにとって腸閉塞のきっかけを生み出す
ことになるだろうことは想像に難しくありません。

分解されるといっても、分解される前に動物に飲み込まれては意味がないのです。

人為的原因によるカメの死亡原因は延縄漁をはじめほかにもたくさんありますが、餌にもならず
下手すれば内臓を詰まらせる異物となり生物を苦しめる余計なゴミは海に捨てたくないものです。
生物の胃袋はゴミ箱ではありませんし、死体の4割の体内にゴミが入っているのはやはり異常ですから。

動物病院のペットの救急医療の理由の1位は「異物の誤飲、誤食」が273件(約14%)といわれています。
(アニコム損害保険株式会社調べ。2008年)
                             
オサガメの生態だけ見てもそれほど複雑。2008年にはおたる水族館で長寿記録更新中だったネズミイルカ
「次郎吉」が水槽に植生した天然コンブにより死亡しました。 酪農学園大学で解剖したところ、未消化のコンブによる
胃閉塞が直接的な死因であることが判明したのだそうです。

人の体内で分解可能な天然コンブでも危険な場合もあります。でも天然ゴムは体内では生分解はできません。

また、2010年2月には壱岐市勝本町の観光施設イルカパークで、推定7歳のイルカの「くる」が誤飲による
栄養失調で死んだということです。
解剖すると胃からローブや木片、ジュースパックなど計11キロのごみ。大陸からだけでなく国内からのゴミも
あり、同パークを運営する市観光商工課は「『くる』の死を無駄にしないためにも、行政として海洋不法投棄防止に
努めたい」としています。


先の名古屋港水族館やおたる水族館、イルカパークをはじめ、動物園や水族館の関係者の多くは動物の
誤飲の危険性をご存じなはずです。

たしかに分解されやすくなったゴム風船も出てきていますが、それが水族館や動物園の飼育舎に落ちて
飼育している動物に誤飲事故が起きたらシャレになりません。

当然、誤飲の可能性はもとより環境美化の観点から大量のバルーンリリースの行為を容認する飼育関係者は
いないでしょう。

【沖縄美ら海水族館:環境問題への取り組みについて】
http://oki-churaumi.jp/ba/about/environment.html

最近では、自然界に放出したプラスチックにより2百数十種もの野生生物に影響が出てきているとか
ありますね。

一方で自然界には膨大な数の生物や微生物の種がありますが、現実には生態すら検証もし切れていません。
ゴム風船は人でも誤用すれば窒息で死亡することもある代物。長期の観察もせずたかだか数種の動物の
調査をもって「まったく安全」なんて言い切れるものではありません。


↓誤飲の危険性が書かれたゴム風船の注意書き。 はたしてペットや野生動物の安全性は?
10081191.jpg

※ビニールやポリなどの袋類も危ないですが、糸やひもも体内で絡まったり胃腸を傷付ける恐れがあり動物には危険です。


先日は日本近海の生物多様性が世界有数であることが示されたという話もあります。全海洋容積の
約0.9%の日本近海にバクテリアからほ乳類までの全海洋生物のうち、約14.6%の33629種が
日本近海に存在するのだそうです。

でも逆に言えば、環境の急変で影響の出る種もそれだけ出やすいともいえるわけです。
ただでさえ、海産物もかなりの割合で外洋から資源に依存している日本。
地球温暖化問題や外来種問題などとともに海洋環境への影響も日本は考えないといけないでしょう。



そんな中でみかけたのは、中部地方のとあるAJ市の七夕まつり。願い事を書くのがキーワードの七夕のようです。
七夕のイベントの一つに「願いごとふうせん」という市民がお願いを風船に直に書いて5千個も飛ばすものが
あるそうです。

市役所の商工振興部などのイベントでしょうが、まあイベントしては面白いのかもしれません。

ただ、寄付金や税金をかけて環境にまき散らすイベントを行なう一方で、市民を巻き込みJTの市民清掃活動
「ひろ街」を行なっているのは、2009年秋の高田馬場の結婚式場の向かいの葬儀場建設の話のようで
いささか滑稽です。
「本当に街をきれいにするのであれば...」という声も聞こえてきそうです。

【JT:ひろえば街が好きになる運動】
http://www.jti.co.jp/sstyle/manners/clean/index.html

市役所では市民に「ごみ減量の知恵の環」というものを市民に募集していますが、これでは「隗より始めよ」とも
云われかねません。

この投げ捨てイベントは役所も関わっているイベントでしょうが、役所が率先して参加した何千人もの
市民に「自然に分解されるならば何でも自然界に投棄していい」と勘違いさせ、ゴミのポイ捨てを
推奨するPRの場に結果的になっていないか
、ちょっと心配ですね。



自然に分解されるなら紙でも土でも人糞でもその辺に投棄していいことになってしまいます。でも現実には
そんなことはあり得ません。

今は廃棄物処理法が厳しくなり、一般市民であっても空き缶を毎日他人宅に投げ捨て続けるだけで逮捕されます。
公共施設のゴミ箱でも、そこに故意に施設外から持ち込んだゴミを捨て続けたら、後で突然どんな制裁が加えられるか
わかりません。 そんなところには案外防犯カメラで継続的に監視されていたりするからです。
カラオケ店もで子どもの使用済みのおむつをカラオケ店では捨てられず、責任を持って家に持ち帰らないと
いけないのです。
海水浴場では全面禁煙するところも出てきました。廃棄禁止のものにグラム数の制限は事実上なくなってきました。
タバコや紙くず、ゴムくずはだめでゴム風船はいいという根拠はどこにあるのでしょうか?

市役所は市民や企業を指導する立場であり、役所のイベントは公衆道徳の手本を示す側面があるはずなのですが。

そんなことを考えると、その近隣の名古屋市で先日起きた飴菓子「ホールズ」の食品工場の不良品の河川への
継続的な大量投棄も起こるべくして起きているのかな?と穿ってみえてしまうのです。


【読売オンライン:「ホールズ」不良品→粉砕→溶かす→下水に流す】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100728-OYT1T01070.htm
 菓子メーカー「名糖産業」(名古屋市西区)が不良品のアメを水に溶かして下水道に流していたとして、
名古屋市は28日、廃棄物処理法違反で行政指導した。

 同社によると、名古屋工場(同)では約3年前から、菓子メーカー「キャドバリー・ジャパン」(東京)から委託を受けて製造している商品「ホールズ」の不良品を粉砕し、水に溶かしたうえで下水道に流していた。粉砕した不良品は1日あたり数十キロ、1か月で数百キロから1トンに上ったが、排水基準を満たしていることから、違法性はないと考えていたという。

 同市はこの日、立ち入り調査を実施し、今後は産廃業者に委託して処理するよう文書で指導。来月4日までに、業務改善計画書を提出するよう求めた。名糖産業の三矢益夫総務部長は「誠に申し訳ない。処理方法に関する手順書を作成し、社員を指導する」と謝罪した。
(2010年7月28日23時24分 読売新聞)


※事業で発生したゴミなのに川にそのまま垂れ流しにしていいはずがありません。
 これは「条例や法律に違反していないなら何でも行なっていい」と思いこむ勘違いのいい例。
 ルールさえ守ればいいのでなく常識的なモラルやマナーもやはり大切でしょう。
 客観的に見られる企業の意識は必要なのかもしれません。

 でも我々の一般家庭の普段の生活でもクーラーの普及がヒートアイランド現象を起こしゲリラ豪雨を誘発させ、
 温水化した生活排水で外来種が 棲息できる環境になり生態系破壊に影響を与えるようになってきました。
 野生化したペット動物が、野生在来種の動物の生命を脅かし始めています。
 やはり日本も企業のみならず市民レベルで地球環境に本気で取り組むべきマナーも求められる時代に
 なってきているのかもしれません。


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「夢」だけでは動かない
※このブログでは時々バルーン関係の話題を取り上げています。


きょうの日本テレビの「人生が変わる1分間の深イイ話」は様々なアートのアーティストの作品が
「欲しい」か「欲しくないか」の特集。

その中で出てきたのはバルーンアーティスト・家泉あづささんの作品。

子どもの大きさのアニマルキャラクターのツイストバルーン作品が5千円。 オブジェ作品は2万
結婚式などで使うようなツイストバルーンで織り込んだバルーンドレスは10万円だったと思いますが。


バルーンアートはほかの多くの作品と違い「日持ちしない」のが大きなデメリットなので、
子役ゲストも「長持ちしない」という現実的な理由で「欲しくない」に入れていました。


それでも当初は10組中「欲しい」が4人で、欲しくないの方が多かったのですが、島田紳助の
「夢がない!」の言葉で「欲しい」に寝返り。 「欲しい」が7人。「欲しくない」が3人になりました。


まあ...夢は大切ですよ、たしかに。 ただ、「バルーン=夢」というのも違うと思うのです。
人それぞれ考え方が違いますし、風船が嫌いな人は「バルーン=悪夢」でしょうから。
テレビのバラエティで多くの人が耳を塞いでいる様子を見ると、どこが「夢」なのだろうと思うことはあります。
「夢」を与えるのは共感が前提のもので、押しつけるものではありませんね。
(そういう意味では「バルーン=夢=幸せ」という理屈も商売前提のかなり無理がある構図と思うのですが。)


そんなテレビを見つつ思ったのは、話題となっている日本飛行船の倒産と飛行船ツェッペリンNTの
解体の件。

14億円の負債ということですが、飛行船が「夢」ならばどこか企業が企業再生に名乗りを上げると
思われたのですが、残念ながら考えが甘かったですね。

どうも、日本人は飛行船は「金を払って乗るもの」ではなく「タダで下から見上げるもの」と思っている人が
多かったのかもしれません。 乗船料金が高かったこともありますが、仕方がありません。

飛行船は「環境に優しい」とはいわれたものですが、飛行船を維持するための高価なヘリウムガスの費用も
大きな負担となったのは皮肉なことです。 費用がかさんで「懐には優しくなかった」ということでしょうか。

それでも、ツェッペリンNTが日本からなくなっても、チャーターで再び飛行船を飛ばす道はあるでしょうから
企業が広告宣伝費にお金をかけられるような不景気から脱却した日本に戻すことが大切なのでしょうが、
その夢は「夢」であってはいけません。


※「飛行船を買いたい」とはならずに、「飛行船が解体」になったのは残念ですね。


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飛行船は飛行せん? 日本飛行船が業務停止
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日本でツェッペリンNT飛行船による遊覧飛行を行なっていた日本飛行船が2010年5月31日をもって
業務を停止したということです。

【帝国データバンク:倒産・動向記事2010/05/31(月) 飛行船 「ツェッペリンNT号」 運航】
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3286.html

倒産・動向記事2010/05/31(月) 飛行船 「ツェッペリンNT号」 運航
株式会社日本飛行船
事業停止、自己破産申請へ
負債14億円

TDB企業コード:401182061
「東京」 (株)日本飛行船(資本金4億4262万5000円、中央区明石町8-1、代表渡邊裕之氏、従業員40名)は、5月31日までに事後処理を谷田哲哉弁護士(東京都中央区銀座6-12-13、電話03-5537-5118)ほか1名に一任し、事業を停止した。今後、自己破産を前提とした債務整理を進める意向。
 
 当社は2002年(平成14年)3月に万国博覧会「愛・地球博」(2005年3月開催)のPRやその後の飛行船を利用した広告宣伝業などを目的として設立。2003年6月には約10億円を投じて「ツェッペリンNT号」を購入し、同年9月には日本郵船の連結子会社となった。2004年12月には埼玉県桶川市に運航基地を設置、2005年1月から飛行船運航を開始し、以後、全国各地で愛・地球博のPR活動などを行い、2006年3月期にはその他広告収入なども含め年収入高約3億6100万円をあげていた。

 2007年には国土交通省から航空運送事業許可を受けて、初の遊覧飛行を開始(離発着場は桶川市)したが、維持費などの諸経費が嵩み創業以来、赤字決算が続き債務超過状態となっていた。2007年には日本郵船が保有する全株式が都内の海運会社に売却されたほか、ツェッペリンNT号も同社に売却。2009年には都内の内装工事業者が新たに出資して筆頭株主になるなど、資本環境がめまぐるしく変化していた。

 近時は今年4月から東京・晴海ふ頭を離発場とした遊覧クルーズの宣伝を大々的に行うほか、子供向けアニメ映画や自動車CMとコラボレーションすることで同効果の推進を狙っていたが、その一方で、3月末、4月末の支払いが遅延する事態が表面化。都内の企業がスポンサーとなるべく交渉を進めてきたが奏功せず5月末の支払いが困難となり、今回の事態となった。
 
 負債は債権者約240名に対し約14億円が見込まれる。
 
 なお、今後の事業については、現在複数のスポンサー候補と交渉を行っているが流動的である模様。



日本飛行船のホームページも消えていましたね...

いや、何となく気にはなっていたのです。 本当に需要があるのであればライバルの飛行船旅客企業が
出てきてもおかしくはないと思ってはいたので。

以前にも書いたことがありましたが、1回に数10分のフライトで数万ないし十数万円。こんな不景気で乗船
する人がいたとしても、何度も繰り返し乗る人なんてそうはいないんじゃないかなと思っていました。

やはりそういうことを考えると、遊覧飛行ではある程度乗船する人数がまとまった段階で飛行時期をを限定して
飛ばすとか、飛行船広告があるときだけ飛ばすとか、とも思いましたがパイロットだって飛行訓練をしなければ
いけないのでそういうわけにもいかないでしょうね。

JALも経営再建中ですが企業再生支援機構の支援があります。でも日本飛行船の経営の操縦は
不景気に消費税の増税の中では新たなスポンサーが付いても、消費者に新たなアドバンテージを
示すことができないとなお難しいのかもしれません。


追記
 (株)日本飛行船は2010年6月10日に東京地裁に破産を申請し、6月16日に破産開始決定を受けたということです。
 負債は債権者272名に対し、総額は約14億3800万円となっています。


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うきぶくろ
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今回のネタは短信です。

↓ヘリウムガス付きの魚型のマイラーバルーン「お部屋は水族館」が100円のUFOキャッチャーの
 景品になっています。
10061416.jpg


※これは...過去に生きた魚がUFOキャッチャーの景品というのもありましたが、それより「寿命」は短いかもしれません。


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オー・舞い・ダーウィン
※このブログでは時々バルーン関係の話題を取り上げています。

バルーンというと人の気持ちを高揚させる力があるようですが、一方でバルーンを使って
破天荒なことを行なってしまい、社会に迷惑をかけたり、命を落としてしまうことも
あるものです。

世の中でには、「ダーウィン賞(ダーウィン・アワード)」という賞がありますが、Wikipediaによると
「ダーウィン賞 (Darwin Awards) は、進化論者であるチャールズ・ダーウィンにちなんで名づけられた
皮肉の「名誉」であり、ダーウィン賞は、愚かな行為により死亡する、もしくは生殖能力を無くすことに
よって自らの劣った遺伝子を抹消し、人類の進化に貢献した人に贈られる賞である。」
とあります。

【ダーウィン・アワード】
http://darwinawards.com


バルーンにまつわる例でいうと...

ローンチェアのラリー(Lawnchair Larry)という話が有名で、1982年7月にラリー・ウォルターという男性が
風船をたくさんくくりつけたローンチェアに乗り、アメリカ・カリフォルニア州サンペドロから出発。
上空の管制空域に侵入し、最後は送電線に引っかかり周辺の住宅を停電にして着地し罰金刑となった話が
あります。


それから最近の例では

2006年6月3日にアメリカ・フロリダ州で酔った大学生2人が、8フィートもの大きさのヘリウム入り
アドバルーンを引き降ろし、気球の中に頭を突っ込み2人とも窒息死したという事故があります。

その事件はダーウィン賞2006の1位に選ばれましたが、このことを茨城県の高校生が知っていたら
ヘリウムガス入りゴミ袋で窒息せずに済んだのかと思うと残念でなりません。

そして、2008年4月20日にはブラジルのアデリール・アントニオ・デ・カルリ神父が
1000個のヘリウム入りゴム風船でブラジル南部の港町パラナグアから飛び立ち、後日遺体で
発見されたというものがあります。

その事件もダーウィン賞2008の1位に選ばれました。日本にも気球で冒険したマイカルアドベンチャー号や
神田道夫さん、たくさんの係留気球を付けたファンタジー号で飛び立った風船おじさんこと鈴木嘉和さんが
いますが、いずれも命を落としたり、行方不明という結果。
気の毒ですね。 断末魔で人は空を飛べないことに気づいても後の祭りです。


上の3つのバルーンにまつわる事例はいずれもダーウィン賞に取り上げられ、上位にも上げられている項目。
過去のダーウィン賞の1位では2007年に、「3リットルのシェリー酒を浣腸して摂取し急性アルコール中毒で
命を落とした男性が受賞した」とありますが...なんてバカなんだろうとみんな思うことでしょう。
だけど、先の3つの事例はそれと同レベルの行為だとも云えるわけです。

日本のマスコミは欧米人はハチャメチャな行為に対し寛大だという暗示に似た話題の取り上げ方をしますが、
欧米でもやはり非現実的な行為により命を落とすことには、日本と同様に冷ややかな世間の視線があることを
忘れてはいけません。


余談
 先日、ジョナサン・トラップさんがたくさんのビニール気球でドーバー海峡横断に成功したという話がありますが、
 今回の冒険では高度2300mで4時間で海峡を横断の一方でそのための訓練では高度4500m(-15℃)の
 環境で14時間連続の飛行を行ない、航空無線・緊急無線・衛星追跡装置や酸素供給システムなどを装備して
 行なわれたといいます。(ただ、これでも太平洋横断では危ないのかもしれませんが。)


その一方で、日本のマスコミの馬鹿さ加減には閉口してしまいます。


きょうの昼のテレ朝のワイドスクランブルの眼力OH!でしたが、
「アメリカで風船で空を旅することが流行している」というのですよね。
(それならば熱気球飛行は大大大流行といえそうですが...)


この話題を見ていて「何を寝ぼけたことを言っているのだろう?」と思いました。
(番組の製作者がガス会社かバルーン業者からお金をもらっているのか分かりませんが、記事を見ていて
 なんか痛々しかったです。コメンテーターもみんな揃ってやりたくないと言っていました。)

よみうりテレビの「鳥人間コンテスト」だって、グライダーの下でボートが随時追尾して、落下した所に迅速に
駆けつけるから、事故が起きにくいわけですが...

風まかせでどこに落ちるか分からない自己責任の冒険。
損害保険会社だって相手にしないような冒険をテレビ局が普及させようとしてどうするつもりなのでしょうね?
(日本の学力低下の危機感のなさはこういうテレビ番組の内容にも表れているのかもしれません。
 3年近く前にヘリウムガスを吸って窒息死した高校生がいましたが、あれもテレビのバラエティ番組の影響。
 ○○というテレビ番組を見て、まねをして命を落としたら、放送局は賠償でもしてくれるのでしょうか?)



※先日の風船太郎の「あらびき団」や「欽ちゃん・香取の全日本仮装大賞」の出演ですが...
 どうも番組の製作サイドが意図的な風船ブームを作ろうとしていますが...普及したら事故も起きそうです。
 人が入るような大きな風船は、口の締め付けが強いので、一般の人が助手も付けずに単独で行なうと、
 風船の破裂で口が首を絞め付けて「ダーウィン賞の仲間入り」になる恐れがあります。
 お気を付けください。


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実現性と実用性を考える
※このブログでは時々バルーン関係の話題を取り上げています。

きょうの夕方、静岡テレビ・フジテレビ系で放映された「ミラクル大実験」で、映画「カールじいさんの空飛ぶ家」
のシーンを実際に行なってみるという実験がありました。

今回使った風船は一般に出回るゴム風船(直径25cmほど、浮力4グラム)ではなく、特大風船
(というか、直径3mの塩化ビニールの係留気球、浮力10Kg)。
現実には耐久性や安全性などの面で、ゴム風船は使えかったようです。

この実験の中では、気球1個(浮力10Kg)の浮力でワインのコルクを抜く実験や、気球8個(浮力80kg)
でしゃがんでいる人(ウド鈴木さん)を立ち上がらせる実験。 またKONISHIKIさんを気球18個(浮力180Kg)
で浮き上がらせる実験を行なっていました。

そして、今度は実際に家を浮き上がらせる実験を行なうにあたり重大な問題が発覚。
一般的な2階建ての家の重さは約100トンなので10kgの浮力の気球が最低1万個必要で現実には不可能。

結局は内装のされた小さい家と人1人で約300Kgの家が完成。 結局は気球68個で家を1m60cm
(屋内で実験が行なわれたので気球が天井に届く高さまで)上げることができました。

ただ、気になったのはこの実験では家が約300Kgなので単純に考えれば気球1個で浮力10Kgならば
30個もあれば浮くはずなのが倍以上の68個になったこと。

気球同士が密着することによりかなり浮力が落ちてしまったのかもしれません。

ちなみにヘリウムは1立方メートル当たり浮力は約1Kgだとすると必要とされるヘリウムガスは約680
立方メートル。 7立米のボンベが約100本必要となります。
おそらくガス代だけでも、(ガスボンベ1本1.4万円として)大体140万円程度。(別途気球代や人件費など)
安い小型車なら2台は平気で買える費用が実験でかかりそうです。


※家を浮かせること自体は、気球を使わなくてもクレーンで実験はできるのです。
 でも気球で浮かせることができたことは面白いことだと思います。
 問題はそれが実用性が乏しいことでしょうか。
 家が浮いたところで我々人間が浮かないことには、その家に行き来ができません。
 (もっとも釣り上げて浮いてしまうような家では、台風などの横風で吹き飛ばされる可能性もあり
  危なくて仕方がありません。)

 ヘリウムガスといえば...
 そういえば先日は岩谷産業がカタールのヘリウム権益の20%を取得したという話があります。
 ですが、それが有効なのは2023年からの20年間(たかだか7000日)。
 その権益で得られたヘリウムガスは日本独占で使われることなく海外にも輸出されるでしょうし、
 その後は権益が中国企業など他国に流れてしまうかもしれません。
 海外からの資源は戦争などの政情不安で突然入手ができなくなることもあるもの。
 ヘリウムが自国にガス油田が無く精製できない日本は、あまり期待しすぎない方がいいのかもしれません。


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ナダールじいさんの空飛ぶ家
※このブログでは時々バルーン関係にまつわる話を書いています。

きょうは「カールじいさんの空飛ぶ家」のDVDの発売日です。
10042131.jpg
この映画を見に行った方の中にはすでにDVDやブルーレイディスクを購入された方もいるかもしれません。
また、3D映画をご覧になった方の中には「3D版」のブルーレイディスクが発売されるまで買う気がしないと
いう方もいるかもしれません。



さて、いまから150年近く前にこの冒険に近いことを行った外国人がいます。

その人の名はフランスのナダール(本名:ガスパール=フェリックス・トゥールナション、1820-1910)。
写真家や風刺漫画家であり、また小説家でしたが、そのほかに気球乗りもおこなうという多才な人でした。

このナダールですが、1858年10月に世界で初めて係留気球からパリ市(プチ・クラマトール)の空中写真撮影を行ったことで
知られています。

そのナダールが1863年に作ったのは超巨大なガス気球「ル・ジアン号(巨人号)」。
高さ40m(60mの説もある)、内容積6000立方メートルにもなる巨大な気球は300人ものお針子により製作され、
浮力は4.5トンもあったといわれています。
その気球の下の柳で織られた6つの部屋に分かれたキャビンには、寝室や食品貯蔵庫、バルコニーも設置され、
まさに小柄な家。

【E. D’Arnoult. Voyage du Géant de Paris a Hanovre en ballon. Paris: E. Dentu, 1863.】(左ページにル・ジアン号の画)
http://www.indiana.edu/~liblilly/balloons/darnoult_images.html

【Félix Nadar, “Interior of Le Géant Inflating” (1863)】(ル・ジアン号の気嚢の内部の写真)
http://www.clusterflock.org/2008/03/felix-nadar-interior-of-le-geant-inflating-1863.html

【仏Wikipedia:ル・ジアン号の2回目の飛行前の様子(高画質版)】
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/fr/f/fa/Ballon_nadar.jpg

この巨大気球は1863年10月4日に12人を乗せて24Kmを初飛行し、2週間ほど後の18日の第2回目の
飛行では身内ら7人を乗せ、400マイル(約644Km)を一晩かけてパリからドイツまで国をまたぐ大飛行しましたが、
荒天のため着地に失敗し30分間にわたり16Kmも引きずられ大破。ナダール夫人以外の乗員は平原に
振り落とされたといいます。

資金の尽きたナダールは「将来の飛行技術は飛行機などの重飛行機が先導するだろう」と確信したといいますが、
一方でこの現実の気球の冒険に触発されたジュール・ヴェルヌが同年、冒険小説『気球に乗って五週間』を執筆し、
一躍有名小説家の仲間入りを果たしたといわれています。

(ちなみに、のちの1868年にイギリスの水晶宮(クリスタルパレス)で開催された航空博覧会で
 この気球のキャビンが展示されました。)

【‘The Car of Nadar’s Balloon at the Crystal Palace’, 1868.】
http://www.scienceandsociety.co.uk/results.asp?image=10411180&wwwflag=2&imagepos=2


気球は行き先が風任せで操縦のコントロールが効きませんが、それをわかっていても製作できたのは、おそらく
操縦可能な飛行船が登場する以前の時代だったからなのでしょう。


そういう行く宛のわからない気球旅行の物語が「カールじいさんの空飛ぶ家」という形でいま出てくることに、
ある種の回顧心や、時間に縛られない時代のあこがれを感じてしまうのかもしれません。

でもその一方で、6日ほど前のアイスランドの火山の噴火で飛行機が飛ばず、多くの人が海外を行き来
できなくなり、無用な時間の拘束や出費を強いられて心にゆとりをもたらすどころか心を痛めている人が
多い現実を見ると、やはりこのような冒険旅行で心にゆとりを持つには、時間や大金の余裕も必要なのかも
しれません。(それは今も、昔も...)


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イギリスの盲目バルーンレース
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。

日本人は「バルーンレース」と聞くと、佐賀のバルーンフェスティバルを代表するような熱気球の
大会を連想するかもしれません。


ですが、この記事で取り上げる「バルーンレース」はちょっと違います。


日本では風船に手紙を付けて飛ばすイベントが行われていますが、イギリスでは風船の飛んだ距離を競う
イベントとして「バルーンレース(balloon race)」や「バルーンコンテスト(balloon flight contest)」と
呼ばれます。


日本とおもむきが違うのは、風船に付ける紙が有り合わせの紙ではなく、通し番号の付いた市販のチケットカードが
使われることが多いこと。

実はイギリスの数多くのバルーン業者が、一風ゲーム感覚ともいえるバルーンレース(風船飛ばし競争)の
セットの販売を行っているのです。


【BalloonNets:BALLOON RELEASE NETS AND BALLOON RACE TICKETS】
http://www.balloonnets.co.uk/balloon-release-nets-and-race-tickets.htm
【Balloon Champions】
http://www.balloonuk.com/
【The Balloon Lady:Balloon Race】
http://www.balloonlady.co.uk/balloon-race2.htm
【Not Just Balloons Ltd:Balloon Race Kits】
http://www.balloons.co.uk/shop/balloon-race-kits-107/
【Balloons of Kent:Balloon Race Kits】
http://www.balloonsofkent.co.uk/shop/balloon-race-kits-107/
【balloonatics.biz:Balloon Races】
http://www.balloonatics.biz/balloon%20races.html
【Balloon Releases UK:Balloon Race Packs】
http://www.balloonreleasesuk.co.uk/Balloon-Race-Packs.html
【Balloons For U.:BALLOON RELEASE/RACE】
http://www.balloonsforu.co.uk/php/products.php?status=displaycategory&categoryid=2834


このようなバルーン業者の中には「バルーンレース」は学校や法人などのチャリティー活動向けに、
企業や団体に「バルーンレース」のイベントに協賛金を募り、学校・団体名などを印刷したチケットカードを
生徒や保護者、イベント関係者に販売させ、風船とともにそのカードを飛ばすことで海峡を越えヨーロッパから
メッセージが届き、一番遠くに飛ばした人に賞が贈られ、学校や法人のイメージアップが期待でき、
「バルーンレース」自体の費用以上に見返りを期待でき、定期的に行えば安定した資金集めに貢献できると
PRしています。(→早い話が学校などを巻き込んだ資金集めにかこつけた「風船飛ばしビジネス」の
フランチャイズです。

(一番上のリンクの業者)


↓バルーンレースチケット(左は表面、右は裏面)
balloonraceticket.jpg balloonraceticket2.jpg

チケットの表面はあらかじめチケットの購入者と住所、風船の回収期限を書いてゴム風船につけて飛ばし、
拾った人はその紙に拾った日付と場所を紙に書いて、指定の学校や団体に送ることが記されています。

また裏面は、広告を入れることができるので、広告を入れるスポンサーからの広告収入が期待できます。

この商売の芸の細かいところは、このバルーンレースチケットのイベントを行なう学校や団体の関係者は
以降のほかの学校や団体が行なった同様のバルーンレースの風船の回収の協力が求められていること。
そして地元のマスコミを最大限生かしてイベントの開催やチケット販売を告知し、継続的にバルーンレースの
イベントを行なうための地元の企業から寄付金を募り、スポンサーを必ず作っておくこと

実は団体の金集めのイベントであるにも関わらず団体の関係者や子どもをチケットの売り子にして、
ボランティアイベントの雰囲気を醸し出させてチケットの販売を増やすこと
バルーンレースを
団体の関係者だけで継続に行えるための運営スタッフの組織を学校や団体の中に作ること

チケットはイベントの前日までに全体の9割を販売するべきだが、それにはイベントを行なう前から
バルーン販売を行なうと、相乗効果で利益が上げられるなど...


バルーンレースを行なう学校や団体のみならず、それを主催するバルーン業者の金集めのための
露骨なビジネスモデルが感じられるではありませんか。


この露骨に資金集めが絡み、野生生物にも危害がある風船飛ばしビジネスにイギリスのある
グレートブリテン島の北部のスコットランドのecoスクールでブロンズ賞を取った小学校が風船飛ばし行為に
反対する声明を出しました。
【ヘラルド・スコットランド:Pupils' green revolt over balloon race(2007/3/9)】
http://www.heraldscotland.com/pupils-green-revolt-over-balloon-race-1.853996
【BBC NEWS:Eco-school cancels balloon race(2007/3/14)】
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/edinburgh_and_east/6445241.stm


このブログの過去のバルーン関係の記事を見ている方はご存じだと思いますが、イギリスでは海洋保全団体の調査で、
近年海岸に漂着するゴム風船の数が10年前の3倍にも増えてしまったという事実があり、
現在イギリスでは国家規模で風船飛ばしの反対運動が起きています。
そして漂着ゴミとなったゴム風船の野生生物への影響が複数の国の様々な団体からも指摘されています。


イギリスでゴム風船の漂着ゴミが急増し、国の主導で反対運動を起こさざるを得なくなったのはおそらく、
ゲーム感覚で行為が行われているこの「バルーンレース」も一因でしょう。
(気球の人類初の有人飛行からわずか2年後の1785年に気球でイギリス海峡横断飛行(イギリス~フランス間)
 が行われたイギリスでこんなことが起きているのは皮肉なことです。}


当然のことですが、風船飛ばしの行為も度を過ぎた数で行えば自然環境に影響が出てきます。


バルーン業者は、『風船飛ばしに反対する団体は金や利権、コネなど様々な「力」により、決まり文句で批判する』
という人も多いと思います。ですが同じようにバルーンに関わる多くの分野の関係者の多くにも多かれ少なかれ
同じような構図が見られることは事実。


近年、いろいろな調査で風船飛ばしに関する影響の情報が出てきていますが、日本でもこのような
「バルーンレース」のような行為が数多く行われては、ドジョウやカエルなどの小動物を主食にする
絶滅危惧種のトキにも影響が出てくるかもしれません。


日本国内ではテレビ番組やCM、ポスター、グラビア、映画作品etcでバルーンを使う作品が急増していますが、
今後も環境への影響を厳しく観察することは必要だと思います。



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似て非なるもの
※このブログでは時々バルーン関係のブログを掲載しています。

ゴム風船といえば一般にパラゴム(ヘベア・ブラジリエンシス)種のゴムの樹から採取された樹液
(天然ゴムラテックス)を原料に作られているというのが一般的に知られている知識です。


ですが、「ゴム風船は天然ゴムから作られているとは限らない」と云ったら「本当?」と
いう方もいるかもしれませんね。


まずは下記のリンクを見てみましょう。海外のバルーン通販サイトのページです。

【Balloons-Direct:Giant Balloons > Chloroprene weather balloons】
http://www.balloonsdirect.com/weather-balloons.htm?gclid=CI-13KD28Z0CFWpd5QodDgl8MQ
【balloonplace:Qualatexブランド】
http://www.balloonplace.com/catalog/Qualatex_latex.html


ページを見て気づいたかもしれません。 実は日本でも著名なクオラテックス(Qualatex)ブランドで
知られるゴム風船の会社「パイオニア社」がクラウドバスターといわれる屋外装飾用の風船を製造しているのです。
そしてその材質は天然ゴムのほか合成ゴムの一種「クロロプレン・ラテックス」が使われています。

この「クロロプレン・ラテックス」ですが、耐候性・耐熱性・そして耐オゾン性に優れていて
しかも天然ゴムの特性に近いという代物。


10031711.jpg
クロロプレンラテックスは浸漬製品や接着剤などに使われ、商品はデンカ(電気化学工業)社「CHLOROPRENE」や
昭和電工・デュポン社の「NEOPRENE(商標名)」などいろいろな会社から発売されています。


天然ゴムはオゾンや紫外線に弱いのですが、気象観測の高層気象観測で天然ゴム製の気球を
使う場合、上空20~25kmに濃度のピークのあるオゾン層や上空に行くほど強くなる
紫外線の影響を受けるほか、氷点下数十℃にも下がる過酷環境であるため、使用するゴム気球に
ケロシン(灯油)付けをして暖かい部屋で乾燥させる気球を保護するための工程が行われています。

【気球搭載型 Optical Particle Counter 放球マニュアル】(ケロシン付けの工程が記されている。)
http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/~npole/opc/ver2-1.html

ですが、気球自体に耐候性や耐オゾン性があれば、そのような面倒な手順を踏む必要はない訳です。


でも、日本には「パイオニア社」のクラウドバスターはあまり出回っていないようなので日本には
関係のない話かもしれません。


それでは、日本の気象観測用のゴム気球を製造している「気球製作所」の気象観測用ゴム気球
「コスモプレン」の日本語版のページを見てみましょう。

【気球製作所(日本語ページ):コスモプレン】
http://www.weatherballoon.co.jp/pages/japanese/1cosmo.html

コスモプレンは、
最新の技術と、長年の経験で開発した、
高性能のゴム気球です。
気象庁や防衛庁をはじめ、広く海外諸国の気象機関で、
高層観測に活躍しています。
気象には国境がなく、
地球を一回りする上空の大気が、
天気を変化させる高気圧や低気圧の動きを支配します。
上空の大気の状態は、高層気象観測によってのみ
知る事ができるため、コスモプレンは
天気予報には欠かせないものです。



天然ゴムの文字はひとつも出てきませんね。一方、同様の英語ページを見てみましょう。

【気球製作所(英語ページ):COSMOPRENE】
http://www.weatherballoon.co.jp/pages/english/1cosmo.html

COSMOPRENE is an excellent balloon for Meteorological Observation,
easy to handle, can be released under any weather condition and
capable of fast rising, both daytime and night use without any pre-heating.

COSMOPRENE that is made from natural rubber (Latex)
or synthetic rubber is high efficiency and reliable.

COSMOPRENE has been accepted by the Japan Meteorological Agency,
Japan Defense Agency and World Meteorological Society
as an approved product for meteorological use.

COSMOPRENE leads the world by its proven performance.



(大意を要約すると...

COSMOPRENE はいつでも予熱の手間がなく、どんな気象条件下でも放球できるので
素早く上昇(観測装置などを打ち上げ)させることができる、取り扱いの簡単な
すぐれた気象観測用気球です。

天然ゴム(ラテックス)あるいは合成ゴムから作られる COSMOPRENE は高性能で
信頼性があります。

COSMOPRENE は気象観測分野で認められた製品として日本の気象庁や防衛庁、そして
海外の気象機関に受け入れられました。

COSMOPRENE は立証された性能で世界をリードします。)



実は天然ゴムのほか、合成ゴムも使われていることが明記されています。
(製品名の語尾が「プレン」なところを見るとやはり合成ゴムにクロロプレンが使われているかもしれません。)


近頃、ゴム気球により高度30000mから地球を撮影した映像がテレビで出てくることが多いですが、
紫外線やオゾンに弱い天然ゴム製のゴム風船では用途としては役不足。
高信頼性を求められる気象庁や防衛庁をはじめ、広く海外諸国の気象機関で使われる用途を考えれば
いちいちケロシン付けをしなくても、最初から気球自体に耐候性・耐熱性・そして耐オゾン性が
期待できる素材を使うのが品質管理をする製造者も観測精度を期待して利用する会社も楽なはず。

このようなケロシン漬けなどが不要なゴム気球の高性能化により、近年実用化され気象庁の測候所などで
導入が進んでいる無人のラジオゾンデの自動気球放球装置と、純水と電気から電気分解で自動的に水素を
発生させる自動水素発生装置により、作業者が直接灯油や水素ガスなどの可燃物を扱う機会が減り、
安全性の向上に寄与しているとともに、灯油などの光熱費や浮揚ガスの費用と人件費のランニングコストの
削減につながっていることでしょう。


【国立極地研究所:気象庁の離島4官署に導入した自動気球放球装置の紹介(気象庁観測部観測課のレポート)】
http://polaris.nipr.ac.jp/~uap/meeting/H19_NIPR_balloon_meeting_talks/Abo.pdf

【アタカ大機:水素発生事業に進出 気象庁向けに水素発生装置を受注(国内7か所)】
http://www.atk-dk.co.jp/xml/docs/ATK_116.pdf




日本では合成ゴム由来のコスモプレンというゴム気球が気象庁や防衛庁で使われていること。
そして日本ではゴム気球も風船と云うことが多いことを考えると...

最初に記した「ゴム風船は天然ゴムから作られているとは限らない」という話はあながち
間違っていない
のかもしれませんね。


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日本の環境保護の怠惰に世界が注目している?
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。


近頃、日本の食文化に関わる生物の取引に対する国際的な規制が、続々と出てきていますね。

クロマグロ、シラスウナギ、そしていまシー・シェパートによる反捕鯨抗議で問題となっている
ミンククジラでしょうか。

日本は海洋国家ですが、魚介類を多く摂取する日本人にとっては深刻な問題です。
これらはある意味「日本」をターゲットにした規制のようにも思えます。

そこには鯨を養殖もできない日本が、調査捕鯨による生態系の保全よりも漁獲枠を楯に
「捕獲は権利」と主張しているように見えることに対する反感もあるように思えます。
(確かに食文化は大切だとは思うのですが...ほんの少し違和感も覚えます。
 漁獲枠の数の根拠ってなんだろうと。)

ただ、シー・シェパードがどうして日本を主要なターゲットにしているのか? わかりません。
ですが、暴力的行為はいただけません。



ちょっと話がそれましたが...

実は近年、大量の風船飛ばしの反対運動が各国で起き始めています。

死んだウミガメなどの中からビニール袋のほか、ゴム風船が出てくる事例が増えているといいます。

そして一部では長期の調査によりゴミの量も統計化され、自然環境への抜本的な厳しい対応が
世界のバルーン業界に突きつけられています。

その事例はオーストラリアの動物園やアメリカのウミガメの保護センター、
シンガポールの環境団体、イギリスの国家海洋保全団体(MCSUK)などなど。

↓詳細
【本ブログ:グリーンウォッシュ (Greenwash)】
http://soratobi1.blog73.fc2.com/blog-entry-3681.html


イギリス国家が運営する海洋保全団体(MCSUK)が行っている風船飛ばし反対運動のパンフレットの一部。
「『What happens to balloons after they are released?』、『Balloons can kill wildlife』
(風船を飛ばすとどうなるの? 風船で野生生物の命を奪うことができます。)」と書かれています。
10022791.jpg
【MCSUK】
http://www.mcsuk.org
(ホームページ>Clean(Seas and Beaches)>「MCS Pollution team – what we do」の項の「balloon releases」の
リンクに「Don’t Let Go leaflets and posters.」のポスターのPDFがある。)

※イギリスのおよそ半分の海水浴場で下水、農地、および都市部からの汚染が深刻で、海岸部のゴミが
 10年で2倍。ゴム風船に至っては3倍にも増えてしまったことが一因。環境に無配慮だったバルーン業界に
 ペナルティを突きつけた格好です。
 ゴミや水質汚濁は、目障りなだけではなく、野生生物に対しても危険なことから2015年までにゴミの量を
 半減させる目標を掲げているイギリスの、熱心な環境政策が背景にあります。
 (イギリスと同じく海に囲まれた日本では、こんなに熱心に環境政策に取り組めるのでしょうか?)


韓国でも風船飛ばしに対する環境への影響を懸念した記事が出てきています。
中国はわかりませんが、グーグルが撤退をほのめかしているくらいですから...

【ソウル新聞:風船飛ばしは海洋環境に影響をもたらす(2009/1/5)・韓国語】
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20090105012018


今までであれば、机上の空論・短期間の調査・小サンプル数の調査で生態系に問題ないという
「数字の手品」で環境・生物保護団体の抗議をやり過ごすことができたのかもしれませんが、
各環境団体の長期的な公的調査、生物研究事例やレポートなどの事実調査的な手法により、
バルーン業界が掲げる風船飛ばしの環境への安全性に疑問符が付き始めているようです。

それもあってでしょう。以前はなかった「セーブ・ザ・バルーン」というバルーン擁護PR的な
ホームページがアメリカ・バルーン協議会により作られています。

【savetheballoons】
http://www.savetheballoons.com/


↓日本のバルーン業界におけるゴム風船を使った風船飛ばしの環境PR。
「ゴム風船が哺乳類や海亀の死亡原因となる説は、学者や研究者の科学的な実証研究により完全に否定されました。
(The opinion that a toy balloon became the death cause of the sea mammals and the sea turtles was completely denied by scholar's and researcher's scientific actual proof research.(in japan))」
kankyo_img.gif

※現実に起きていることを見ると、商売のためなら生物への環境を考えない日本企業のむなしさを感じます。

(このような「矛盾」はゴム風船の説明書に「人が誤飲すると命に関わる窒息を起こす恐れがある」という
 警告が書かれている一方で、「動物が飲み込んでも排泄するので安全」というPRからも見て取れます。
 (人は危険なのに動物は安全? このような絵を掲げているバルーン業者は動物園・水族館の
 飼育員や獣医師なのでしょうか。))


結婚式で飛ばすバルーンのひもがビニールのテープではありませんか?
(イベントで実際にそれで飛ばしているケースがみられます。 分解されにくいですよ...
 プラスチック製のバルブやクリップもゴミになるだけです。)
ひもはできる限り無いのがベストですが、あっても紙製のものが一番です。
(これはひもを濡らしてみれば分かるでしょう。)
ひもを引っ張り切れない木綿糸は、バルーンが割れても当然切れませんし、1ミリに満たないひもでも
自然界で2,3年はひもとして機能をし続けます。ひもを束ねたものは生物が絡む可能性が高まり危険です。
ウミガメがひもを飲み込む事例が起きていますが、ひもを飲み込んだウミガメからひもを取り出すのは困難です。
(また「環境に優しい」と謳っているのであれば、業者さんから風船を頂くと実際にどの程度の分解性か
 わかることでしょう。 ベルバル社の風船は分解されやすいといわれますが、破片が溶解されるまでは
 障害物として存在し続けるので、闇雲に大量に飛ばしていいという根拠にはなりません。)
日本では現在では、結婚式目的のためだけに年間数百万個規模でバルーンリリースが行なわれているとみられています。
(かりに年間結納数約75万組×バルーンリリースの実施率0.2×1回のバルーンリリース数の平均50個で
 750万個となる。)本当の「環境に優しい」の意味を考えるべきなのではないでしょうか。



確かに日本では日本ウミガメ協議会を始め、全国各地のウミガメ繁殖地で生まれたばかりの子ガメを
ウミガメの生態に配慮して海に放流する行為が多く見られます。

ですが、ウミガメは海に出ればそれでおしまい、めでたしめでたしなわけはなく、
泳いでえさを探し、栄養をとり続けなければ生き続けることはできないわけです。
(それでも小さいうちは、食物連鎖で食べられてしまうこともあるわけですが。)

現在では死亡して浜などに打ち上げられたオサガメの4割の体内に、ビニール袋などの
人工のゴミが入っているといいます。

↓ビニール袋を飲み込もうとしているウミガメ。
Plastic-Karumbe-Photos.jpg
【Sea Turtle Foundation:キャンペーン・海洋ゴミ】
http://www.seaturtlefoundation.org/stf-current-projects/campaigns/marine-debris/
※ゴム風船の劣化には6ヶ月、海水で分解するのに12ヶ月を要することがあるといいます。
 このウミガメ財団では、世界規模のバルーンリリースの完全禁止を求めています。



ゴム風船はカメが飲み込んでも多くの場合排泄されるといわれます。
ですが、ウミカメはゴム風船を飲み込んでも栄養はとることはできず、運が悪ければ、
ほかの異物と絡んで、排泄されることなく消化管に詰まらせ死亡する可能性もあります。
(死亡したウミガメの腸の内容物を見ると、単一のゴミだけでなく、腸を傷つける
 鋭利なプラスチック片なども見られます。 複数のゴミが絡んで腸閉塞を起こす
 可能性もあることに気づく必要があります。)

※成長したオサガメは1日に100Kgものクラゲを食すると云われます。
(100頭いれば1日で10トンもの獲物などの海の漂流物を体の中に入れていることになります。)
 オサガメの食道は途中でU字型に曲がっており、しかも食道の中はクラゲを口から逃さずにうまく
 飲み込むため、胃の方向に多数のトゲが生えているといいます。それも異物をトゲに引っ掛け
 食道や腸の閉塞を起こしやすい原因になっているのでしょう。
 海の生物は、別にウミガメやイルカ、鯨やジュゴン、海鳥だけではありません。旭山動物園で
 散歩させるペンギンですら、飼育担当員は飛散した地面のゴミに十分な注意を払っているといいます。 
 自然環境に撒き散らしたゴミは、現実には人手での回収はしようがなく、自然分解を待たなければ
 なりません。
 海岸や水面にむやみにゴミをまき散らさない。やはりそんな生物環境への配慮は条例や法律が
 あろうとなかろうと配慮すべきなのではないでしょうか。


↓The below pictures are of trash taken from two different turtles’ intestines.
(下の写真は、2匹の違う亀の腸から採集されたごみくずです。)
loggerhead-intestinal-debris.jpgballoon-etc-from-widget-2003.jpg
【WILD SHORE OF SINGAPORE:Documented reports of Death-by-Balloon?(シンガポール2009/3/25)】
http://wildshores.blogspot.com/2009/03/documented-reports-of-death-by-balloon.html


ゴム風船は割れても比重が軽く水に浮くため、プランクトンや浮遊性の漂着ゴミと同様に海流どうしが
ぶつかりあう潮目などに自然と集まります。

動物行動学的に自ら行動でき、捕食性のある動物の多くは被食される物に向かっていくもの
同じ種のウミガメでも5cmの子ガメ、20cmの若いカメ、60cmの大人のカメでは
体長に限らず口や肛門をはじめとする内臓の大きさ、必要な栄養量も違い、食物の大きさ、
場合によっては食べ物も違うため、安全性は全く同じという保証はありません。

↓Loggerhead Turtle killed by a balloon.
(ゴム風船によって命を落としたアカウミガメの子供。アカウミガメの産卵地は日本にもあります。)
loggerhead_turtle_balloon-640x480.jpg
【タロンガ動物園(オーストラリア生物保護団体):Animal Update: Green Sea Turtle(2009/6/17)】
http://www.taronga.org.au/series-3/updates/turtle-hook.aspx

ゴム風船を飲み込んでいるようなカメは、過去にも同様にえさと見なして何度も
飲み込んでいる可能性があることから、大量の風船飛ばしの行為は「栄養にもならない
疑似餌をまいて衰弱死を促している行為」とみる研究者もいます。

(1986年9月にアメリカでギネスブックの記録更新を目的に行われた約142万個の風船飛ばしでは、
 一説には1割に相当する14万個程度が野生生物の体内に入ったのではないかと指摘する
 野生生物保護団体があります。 アメリカの一部のバルーン業者は気象観測の高層観測用の
 ゴム気球の自然環境への放出量を口実に風船飛ばしの数量規制の撤廃を求めているものがありますが、
 気象観測は国内外のさまざまな天変地異から国益や、国の人命・財産を守るために継続的に行われる
 公共性の高い事業。 これと同様に考えることはできませんし、自然環境への影響を考え
 配慮することはCSR(企業の社会的責任)的にも当然のことだと思います。)

↓Balloons and their ribbons can be found on just about any beach. Animals mistake balloons for food,
and they can become entangled in the ribbons.
(風船とリボンはほとんどの海岸で見ることができますが、動物が誤って風船を食べ物と間違えると、
 リボンに絡まってしまうことがあります。)
Photo courtesy of the Ocean Conservancy.
birddeadballoonribbon.jpgballoonbird2.jpg
【ロングウッド大学・Clean Virginia Waterways:バルーン】
http://www.longwood.edu/CLEANVA/balloons.htm


↓Razorbill(オオハシウミガラスの死骸) (Photo: Christine McGuinness)
razor2.jpg

↓Washed-up balloons on a beach(浜辺に打ち上げられた風船。中にはクラゲ状に見えるものも。) (Photo: Kevin Redgrave)
washup.jpg
【BIRD GUIDES:A salutary lesson in the perils of inflation】
http://www.birdguides.com/webzine/article.asp?a=1490
 ※「NEW SCIENTIST」誌のレポートで、飛ばした風船の5~10%程度が破裂することなくしぼみ、
  原形をとどめ落下する
という指摘があります。
  アメリカでは1つの環境保護団体の調査だけでも 海岸では1年間に3万2千個以上の原形をとどめた
  ゴム風船が拾われました。
  日本国内では日本海側でよく見られますが、日本から飛ばされ陸地に落ちなかったものは、国内の海岸に
  漂着するよりも、海流に乗り太平洋に面する外国の海岸(たとえばハワイ・ミッドウエイ島やアメリカ西海岸
  など)に流出している可能性があるでしょう。

【NEW SCIENTIST:What goes up...(1998/5/2)】
http://www.newscientist.com/article/mg15821327.000-what-goes-up.html



日本では、嵐のコンサートで昨年、一昨年とわずか何分かの視覚的な演出のためだけに、
10万個もの自然環境を考慮されない数のゴム風船飛ばし行為が行われました。


海外の環境・生物保護団体から見れば、下手をすると「大量消費国の日本から大量に飛ばして
海に落ちたゴム風船も、ウミカメの不幸な衰弱死をもたらす一因を招いている」
とも
とらえられかねません。
(日本もアジアの中では中国・韓国に並んで大国。こんなことをしていては、日本も海洋汚染大国と
 いわれても仕方がないのです。 ウミガメ保護の各団体も何らかの提言があってほしいものです。)


一方、日本のNHKを含む放送局の番組、映画作品、CM、新聞・雑誌などのマス広告、CDや雑誌の写真や
商業イベントなどで、マイラーバルーンやゴム風船を使ったものが多くみられるようになっています
が、
これは流行っているというよりは、むしろ多くの場合、作品のプランナーや制作者が意図的に使って
流行らせようという動き

その動きには「環境」の「か」の字もありません。

(番組の構成や話の中で精力的に風船を使う一方、海外映像では風船が出てきたり、風船飛ばしなどの映像は
 使っても、風船飛ばしに関する環境問題で都合の悪い情報は多くの場合
「業界の都合」により意図的に取り上げない情報操作が行われている可能性は高い
です。)


↓このような記事を日本で見た方はどれだけいるのでしょう。
【イギリスBBCニュース:Biologists call for balloon ban「生物学者が風船飛ばしの禁止を呼びかける」(2008/6/12)】
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7447381.stm



ゴム風船は環境に優しいといっても体内で溶けるわけでなく、おおよそ子供に飲ませる親は
いないはずです。
「作為的な風船ブーム」に便乗した「物の程度を考えないバルーンリリース」で海棲生物や海鳥など
の野生生物を誤飲によりあやめることがあっていいものでしょうか?


インターネット上では「mass balloon release ban(大量の風船飛ばしの禁止)」を
 検索すれば大量に項目が出てきます
が、日本人が英語を読めない人が多いことが
 日本が環境意識に乏しい一因でしょう。 ですが言い換えれば「井の中の蛙」です。)


一般にバルーンには「子供が喜ぶ」「うきうきする」「夢がある」など宣伝広告や
PR、アトラクション開催者にとって都合のいいステロタイプ(固定観念)が存在します。
ですが、多くの場合商品に対する本質的なことは伝えられず、「大人が子供扱い」され、
むしろ消費者が馬鹿にされているようなものすらあることも事実。

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「業界や企業、創作者にとって都合のよく実体のないステロタイプ」には、
我々大人の消費者は「浅はかな内容を見下す厳しい目」を身につけたいものです。


余談

昨年大晦日の増上寺で行われたカウントダウンのバルーンリリースの記事ですが...
(使われたのは、(天然ゴムよりはよほど環境に配慮した)水に溶けるオブラート風船)

【Japan Today:happy-new-year】
http://www.japantoday.com/category/picture-of-the-day/view/happy-new-year


実はこのようなインターネットをはじめとするワールドワイドな媒体により、日本から海外に発信される
大量消費の日本の情報によって、環境意識の考えの甘さを世界中の環境保護団体から見られているのかも
しれません。

きっとシー・シェパードのポール・ワトソンさんも上の増上寺の記事をご覧になっていることでしょう。
(「環境に優しいものと見なせば、世界が共用する海に際限なく環境にまき散らしてもいい」という
  日本の環境政策の本質を見られていなければいいのですが...)

【facebook:オーストラリア・シーシェパードのキャプテン ポール・ワトソン】
(掲示板に上記記事のリンクがある。)
http://ja-jp.facebook.com/captpaulwatson

でも、最近の日本に対するシー・シェパードの過激な反捕鯨行動を見ていると...クジラだけの問題かな?

実体はわかりません。



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公衆道徳、そして配慮も必要でしょう。
※このブログでは時々バルーンにまつわる話を書いています。

先日(2010年2月3日)、日本テレビ系「おもいっきりDON」の特集で
でんじろう先生の「生活が楽しく賢くなる科学クイズ」をたまたま見ていたのですが、
特集の冒頭のリモネンの付いた筆を付けた沢山の細長い風船を出演者や観客に向けて
投げる行為を行っていましたが、ちょっとモラルの面では疑問には思いましたね。

細長い風船が割れる音というのは、大きな甲高い音がするので耳障りなのです。

この番組、スタジオの背後に一般の観客がいるのですが、出演者や観客からは
次々と風船の割れる大きな音に驚きや「怖い、怖い」の声が上がってしていました。

科楽というと風船を使う実験がいくつかありますが、その中の代表的なものは
リモネンの液体を風船に付けて割り、音で人を驚かすもの。

しかし、大きな音(特に単発音)は、風船や花火などの大きな音が怖い人や
アスペルガー症候群、妊婦、補聴器を付けている人や、集中力が求められる
仕事をしている人には大きなストレスを与え、迷惑であるとともに
破裂音で驚いた人が転倒するなどの危険を誘発するものです。

もし世界まる見えの「無礼講」さながらの演出の延長線上で行為を行っているのであれば
問題ありなのかもしれません。

芸能人など出演者は多くの場合風船の割れる音には慣れているかもしれませんが、
恐らくこの番組のスタジオに来ていた観客は、科楽実験を楽しみにしてきた人ではなく
抽選で無作為に選ばれて来た人達。(多くは女性)

果たして、恐怖症や生活弱者に対する配慮は科楽実験の指導者には備わって
いたのでしょうか?


科楽を教えるとともに、科楽ならば場所や公衆道徳をわきまえない「恐怖を伴う」実験を
してもいいという価値観を一般視聴者に植えつけていなければいいのですが...


そう思うのも近年...

東京のサンシャイン60内のホール状の公共広場で行われたとあるイベントの
最後のバルーンドロップの後、落ちてきた風船を故意に割り始めた一般人がいたのだそうです。
周囲はショップのテナントが並び不特定多数の一般客が行き交うホール状の公共の場所。
風船の割れる不快な音が辺りに響き渡り、関係者はカンカンだったようです。

その一方、近頃披露宴で行われることもあるバルーンウエディングで、新郎新婦が
来賓者のテーブルに置かれた風船を割る演出で、風船の割れる音の嫌いな年配の女性が
耳をふさごうとしたところ、席の周りの人が手をつかんで阻止したのだそうです。
(さぞかしその人は恐怖におののき、バルーンウエディングの演出を恨んだことでしょう。
 新郎新婦も一生一度のイベントで、相手の気持ちを考えない行為をする親類・友人が
 いることに一抹の不安を感じたのではないでしょうか。)

...そんな、一般人の醜聞を聞いているからです。


バルーン演出をすることは結構ですが、サービスを行う方も受ける方も公衆道徳、そして
弱者への配慮もお忘れなく。


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カールじいさんの空飛ぶ家
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。


先日、映画「カールじいさんの空飛ぶ家」3D版を見てきました。

最初の数分間は、日本テレビ系「スッキリ」で放映されていましたが、数分間の間に
何十年の時間の流れを表現していました。

この映画ですが、思い出の土地を追われる境遇というのは、まるで以前中国であった
土地の買収をかたくなに断る住人のようであり、家ごと脱出しようとするきっかけに
なったのは、今話題の相撲界の朝青龍関の椿事のようであり、旅する仲間が増えていくのは
まるで桃太郎のようであり...

それから、話の中のさまざまな裏切りは現実社会にも通じるものですね。
そういう境遇も経験したことがあるという人もいたことでしょう。

仙台の多くの映画館はあす2月5日で上映は終了のようです。

10020403.jpg


余談
 この映画ですが、熱気球を操縦される方はこの映画はかなり脚色されたものだと感じたことでしょう。
 通常熱気球は上下でしかコントロールできませんし、あらかじめパイロットバルーンを飛ばして
 上空の風速や風向きを把握し、離陸地や大体の着地点を決めるからです。
 (現実には映画に出てくる家の中のハンドルは操縦にはほとんど意味はないでしょう。)

 それから、日本テレビ「世界まる見えテレビ特捜部」や「奇跡体験!アンビリバボー」などで時々
 風船で人が飛ぶという映像が出てくることがありますが、極端にいえば「陸地の広いアメリカだから
 できること」でしょう。

 陸地の広いアメリカであれば、着地で失敗しなければ何とか救助されますが、日本で同じことをすれば
 緩やかに落下しても陸でなく海に落ちた場合、いろいろな理由で生存率は一気に下がります。
 (漁師が誤って漁船から海に落ちて亡くなるという話は珍しくありません。)

 アメリカで行えば突飛な「レジャー」の行為かもしれませんが、陸地の狭い日本では「命懸け」。
 救助隊がすぐに迎えに来る鳥人間コンテストとわけが違うのです。

 以前にも「マイカルアドベンチャー号」や「風船おじさん」、「太平洋熱気球横断」の神田道夫さんが
 日本から出発し、命を落としたり行方不明になっていますが...まあ、あまり島国で冒険は
 してもらいたくないものです。


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はしごの上で踊る者
※このブログでは時々バルーンにまつわる話題を取り上げています。


日本には現在、世界で3機しかないといわれる飛行船「ツェッペリンNT」が1機飛行しています。

この「ツェッペリンNT」ですが、ツェッペリン社が飛行船の復活に夢をかけ、1993年にドイツの飛行船誕生の地、
フリードリッヒスハーフェンに新会社を設立し、現代の最新技術と素材を投入し、開発・製造をはじめた半硬式の飛行船。
1997年9月18日に、2人の乗員など14人を乗せ、ボーデン湖の上空で初飛行に成功しています。

この飛行船「ツェッペリンNT」は乗員2名に乗客12名(最大積載量:1.9トン)。
積載能力は15人乗りのエレベーターにもたとえられるくらいの小規模の飛行船です。

さて、かつてドイツがヘリウムガスの使用を前提で作られた当時の大型の硬式飛行船「ヒンデンブルク号」が、
アメリカからヘリウムガスの供給を禁輸政策で断られ、水素ガスを注入した同機が1937年にアメリカの
レイクハースト飛行場に着陸寸前で爆発するという歴史的な事故がありました。

そんなヘリウムガスをはじめとする資源が日本と同様に乏しいはずのドイツがどうして再び飛行船の開発に
乗り出したのでしょうか?


おそらく、かつて「ツェッペリン」飛行船を多数生み出したドイツ人の気質、そして飛行船製造技術の継承という
側面もあるでしょうが、もしかするとこんな側面があるのかもしれません。



1990年にベルリンの壁により国が分断されていた東西ドイツが統一されましたが、1993年には
ロシアのガスプロムとドイツ BASF グループのガス企業Wintershallにより設立された合弁企業である
Wingasが作られました。(ドイツにはほかに50年以上の歴史を持つVNG社というガス会社があります。)

1995年にはロシアのヤマル半島からベラルーシおよびポーランドを経由してドイツに至る
「ヤマル・パイプライン」が着工しています。その後もドイツはロシアとのガス権益の連携を深めています。
(ドイツにはすでに国内に700ものガススタンドがあるといいます。)

ロシアの天然ガスはヘリウムガスの含有量が高いのですが、1993年のWingasの企業の成立により
今後天然ガスを精製することによりヘリウムガスが供給できる可能性が高いことが、ドイツで飛行船会社の
誕生の追い風となったのかもしれません。

ドイツ国内でヘリウムガスが精製できるとすれば、高価といわれるヘリウムガスも単価は安く抑えることが
できる
でしょう。
ドイツでも飛行船の遊覧飛行が行われ、2001年の遊覧開始以来2006年4月には累計6万人も搭乗したと
いわれていますが、それは搭乗費用が日本でいえば3万5千円程度と、東京都心の予約型ヘリコプターの
遊覧観光と同じ程度の費用で済むことがあるからでしょう。

(だとすれば常時1万人もの予約があるのもうなずける話であります。)


もともと国内にヘリウムガスのガス油田があるアメリカ、ロシアから送られる天然ガスのパイプラインを
実質的に「ヘリウムガス油田」として使えるドイツ、そしてほぼすべてのヘリウムガスを海外からの
輸入に頼る日本が飛行船「ツェッペリンNT」を持っているわけですが、どうして日本では
飛行船ビジネスが普及しないのでしょう。



それは、ヘリウムガスは多くの場合、船便でヘリウムコンテナという形態で液体ヘリウムの状態で
輸入されるという現実があるからでしょう。★


★我々がよく見る圧縮気体の7000リットル入りヘリウムボンベ形態での輸入では、1本は約50kg。
飛行船エンベロープ容積が8425m3だとするとボンベは1000本を優に超え、重量は50トンを
かなり超えるため、重量や積載の手間や安全性からみても現実的でなく、輸送できるボンベ形態は
小売用の使い捨て型のものに限られるでしょう。
ちなみに、圧縮ヘリウムガス自体は7000リットル入りで重量は1kg程度しかありません。


このヘリウムコンテナですが、液体ヘリウム容器の外側を液体窒素や断熱材などで何重にも重ねて作られた
構造で数10トンもある巨大なもの。
しかし、液体ヘリウムが熱伝導率が高く気化しやすいことや、液体ヘリウムのみならず冷媒の液体窒素も
液体時の700倍にも気化してしまうもののため、特に建物内での貯蔵の場合、フォークリフトの追突や
落下などの衝撃により破損すると、一気にガス体が放出され窒息の危険が高まります。
そのため、酸素欠乏危険作業者などの作業員も必要となるのでしょう。
(日本では平成10年にヘリウムコンテナの容器の破損により、高価で大量の液体ヘリウムをすべて
 大気中に放出するもったいない事故も起きています。)

また、飛行船にガスを注入するにしても、専用の液体ヘリウムを逐次加熱しガス体として注入する専用の
車両も必要。

そんなことを考えると、日本のヘリウムガスの輸入に特殊な設備と相当な配慮、そして安全性を確保する
ための人員や費用がかかるということを考えると、飛行船の搭乗価格は「高くて当然」なのかもしれません。

ただ、それで普及するのか? というとやはり疑問符が付くのでしょう。
日本の飛行船の搭乗費用は大体15万円ですが、ドイツにおける搭乗料金の約4倍。
これは言い換えるとスクーターであれば1台分、そしてアルバイトの給料の1か月分。
これをわずか数十分の観光に使うのはやはり勇気がいるでしょう。

(飛行船広告の場合は1ヶ月の契約で1億円程度かかるといわれます。)

日本では以前飛行機のサーチャージ料金の高騰でも海外への利用客が減少したことを考えると
ドイツにおける飛行船観光の活況振りを当てはめるには、ちょっと無理があるのでしょう。
(飛行船が環境にやさしいといわれますが、自国でヘリウムガスを精製できず輸入しなければ
 ならないという時点で、費用の高いものとなるのは仕方がありません。)


ただ、それ以上に懸念されるのは日本は最先端の技術は持っているのに、ドイツの技術の飛行船
「ツェッペリンNT」で浮かれている場合なのだろうか?
ということ。
(どうも「ツェッペリンNT」を礼賛するマスコミの記事には、そのような視点のものは
 少ないような気がします。)

ツェッペリンNTを建造・運行するドイツはもちろん、アメリカも独自に「グッドイヤー・ブリンプ」という
飛行船の製造会社がありますが、日本にはそれがありません。

中国で営業速度で世界最高時速350km/hの鉄道が武漢―広州に開通したという話が
あります。
日本の新幹線「はやて」をベースにした型とドイツ・シーメンス社の技術を導入したといいますが、
中国ではその高速化技術を磨き、さらに他国に売り込む計画を持っているといいます。

日本はその技術を超えるものを実用的なものに生かせなければ、将来多くの分野で中国にも
負けてしまうかもしれません。

ドイツは第一次世界大戦で、天然ゴムの輸入ができず合成ゴムの開発に乗り出し、その中で鎮痛剤アスピリンで
知られるバイエル社はゴムの製造に用いる加硫促進剤や老化防止剤を開発しました。
ドイツの技術者魂はそれにとどまらず、電気、自動車、化学、精密機械などでさまざまな優れた技術や製品を
生み出し、現在ではドイツは技術立国として世界的に名を知られる企業やブランドが多いのは周知の通りです。

日本は資源のない国。「資源を供給される側は多くの場合、相手の都合で切られることのある弱い立場」
この置かれた状況を考えて、技術を磨いていくことはやはり大切なのではないかなと思います。




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仙台のバルーン業者
※このブログでは時々バルーン関係の話題を取り上げています。


↓仙台市青葉区国分町の「仙台夜市」の正面(旧ラーメン国技場仙台場所)。
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↓そのビルの裏手の右側にあるのは洋菓子店の「ピエス・モンテ」。
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↓クリスマスの時期もあり、ケーキの予約も承っているようですが...
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↓実はこの店ではバルーン販売もはじめています。
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※以前、青葉通りでは「エアエンジェル」というバルーンショップがありましたが、1年ほどで閉店。
 時代が早すぎたのか、場所が好ましくなかったのか分かりません。
 ですが、歓楽街の国分町であればそれなりの需要は見込めるのでしょう。


↓一方、近日中にオープンする餃子の王将の隣にあるBOXショップ「wewe」。
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その店のBOXのひとつにあるのは毛糸作品販売とともに入れられたバルーン販売のチラシ。
↓「バルーン工房 Casa di topo(カーサ ディ トーポ)」(名取市)
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※バルーンアートの技能は期待できるのですが実店舗は持っていないようです。


さて、仙台市内や近郊のバルーンショップといいますと...
バルーン設営業者でいうと、ロッキー産業ガス(太白区)、ピジョンフラワー仙台(宮城野区)、
エーブル(泉区)、ビーエッチ(宮城野区)、最近若林区に仙台支店を持った盛岡に本店を持つ
バルーンスケッチなどでしょうか。 ※追加でワンプラスワン(青葉区)もあります。
(県内では「ふうせん屋(大河原町)」、「バルーンショップ黄色い風船(東松島町)」)

また、ガス業者でいうと田沼酸素商会(宮城野区)などがあるでしょう。


また、バルーンアート教室は、NHK文化センター仙台・定禅寺通り教室/泉教室や、
バルーン専門のショップなどで大概行っていることが多いでしょう。

↓NHK文化センター仙台のチラシ。講師が2教室を担当するため教室により実施日時が違います。
 ご確認ください。
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【NHK文化センター】
http://www.nhk-cul.co.jp/


余談

その一方で、家電量販店で配布されるバルーンの高級化も著しいようで...
いまや2~3週間は浮き続けるディズニーリゾートで売られるような品質のバルーンが
配布されることも珍しくなくなりました。

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※こういう無料配布ものは配布する期間がきわめて限られているので、クリスマスだからすぐに欲しい方は
 バルーン業者から買うのがやはり賢明です。


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レアガスとレアメタル
※このブログでは時々バルーン関係の話題を取り上げています。

先日、2009年12月7日ですが、日本エア・リキード株式会社、ジャパン・エア・ガシズ社と
エア・リキード工業ガス株式会社がヘリウムガス全般の2010年1月からヘリウムガス製品全般の
15%以上の値上げを発表しました。

【ジャパン・エア・ガシズ:プレスリリース「ヘリウムガス販売価格改定について [09.12.07]」】
http://www.japanairgases.co.jp/news/pressrelease2009/press1207.html

また、大陽日酸は2009年10月出荷分から2008年4月からに1年半ぶりにヘリウムガスを
平均10%程度値上げを行っています。

【大陽日酸:ヘリウムガスの出荷価格改定について(2009/9/30)】
http://www.tn-sanso.co.jp/jp/pdf/20090930release.pdf

日本ではヘリウムの使用量が3年連続で減少しているといいますが、日本の半導体企業
の国内工場の撤退(液晶パネルなど)も大きいのでしょう。

ただ、一方で10%のヘリウム利用量の減少により、ヘリウムガスの産出量にの減少のために
アメリカ国家のヘリウムガス備蓄からの民間利用のための切り崩し利用を行っている
ヘリウムタイト問題にはプラスに働いているようです。

ただ、現在は途上国である中国をはじめとする国々の発展によっては、まだまだ価格の上がる
可能性はあるのでしょう。


余談
こんな商品があります。

【日刊工業新聞:光るジェット風船が球場に舞い上がる!LED内蔵した風船】
http://www.nikkan.co.jp/saisai/091211.html

以前「風船ライト」なる商品がありましたが、今度はジェット風船に使う商品です。

ジェット風船の中にLEDを入れるという商品ですが、新型インフルエンザの感染禍の中、
つばの付いた商品をまき散らす商品なだけに、再利用しにくく「使えばすぐゴミ」のような
商品に思えます。(例えば、他人のだ液の付いた商品を使いまわせるでしょうか?)


ただ、私はほかにも問題に感じていて

LEDの部品には半導体を結線する為の金線が使われています。(近年金の地金価格が3倍にも高騰
していますね。)
それから、半導体レーザーや赤外線・赤色のLEDのほとんど、黄・橙色系に使用される多くの
LEDの半導体素子に有害なガリウム砒素が使われることが多いのです。
(砒素の化合物には、和歌山毒カレーで話題になった亜ヒ酸もあります。)
また、ガリウムは日本では産出することのできないレアメタルです。
(資源の乏しい日本はレアメタルと騒いでいますが...この商品に使うのはKY?)

電気製品には、ブラウン管用ガラスやかつての半田に使われた鉛、かつての電解コンデンサーに使われたPCB、
蛍光ランプやかつての乾電池や真空管に使われた水銀、光導電CdSセルや電源コードの絶縁被覆用の
防食用のビニール樹脂にカドミウムなど、さまざまな有害な物質が使われていることもあります。
プリント基板のエッチングにも第二塩化鉄など使っていることもあります。
使い捨て的な用途に大々的に使っていいものかと思うと私は疑問に思います。

また、今や日本の家電企業の商品の品質は、中国の工場で製造されたレベルと同等といえるので
あまり悪くはいいたくないのですが。
(メイドインチャイナを悪く云うと、結局は中国で商品を製造している日本のメーカーの悪口にもなる。)

中国製の安価な電子玩具に使われる乾電池やボタン電池には案外内容物の白く粉が吹き出ていることも
少なくないので、だ液など付くような商品に電池を使うのは安全なのだろうか?と思うわけです。


そんなわけで...

使い捨てといえば、使い捨てライターを思い出しますが、自然環境に捨てられた使い捨てライターを
親鳥が餌だと思い込み、ひな鳥に与えて死なせているという話もあります。

この地球は我々人間の生活活動により「たった数十年の間」に急速に環境を悪化させてしまいました。

やはり使い捨て礼賛主義も、これからは改めていかなければいけないのではと思います。
そして資源の乏しい日本では、もっと資源の大切さを知るべきなのかもしれません。


※日本には金箔入りのお酒や食べ物もありますが...日本のレアメタルの重要性はどの程度本気で
 考えているのでしょうね。


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天然ゴムは「オクスリ」?
※このブログでは時々バルーン関係の話題も取り上げています。

今回の話題はかなりディープなお話です。(不快に思われる方はこの記事を飛ばしてください。)


我々が日用的に使う製品の中には、案外いろいろな化学薬品が使われているものです。

↓石鹸の成分でおなじみのエデト酸塩(EDTA酸)は自然界で分解が困難な物質として知られていますが、
 天然素材をうたった商品でも使われていることが少なくありません。
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↓この石鹸もエデト酸塩(EDTA-4Na)や、ステアリン酸も使われています。
 天然物は腐敗しやすいので品質保持のためにエデト酸塩が入れられることが多いのです。
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↓毛染め剤の成分。エデト酸塩やプロピレングリコールをはじめいろいろな物質が入れられています。
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↓整髪料の成分。 パラベンは何か問題があったような...
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↓ラウレス硫酸(ラウリル硫酸)という界面活性剤が使われているものも多いですね。
 皮膚の敏感な方は気をつけたほうが良いのかもしれません。
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↓シャンプーの成分。着色料の青色1号が使われています。
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↓こちらもシャンプーですが、非常にいろいろな薬品が入れられています。
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↓知名度の高い医薬部外品の栄養ドリンク。(100ml入り)
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↓いまや、1ppm(0.0001%)未満の成分まで添加物の明記がされています。
(例えば、「ガラナ流エキス 0.5mg」)
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日常生活の中でもいろいろな薬品が使われているものですが、それは商品の性能や
品質の保持などさまざまな目的があって使われているものです...

ですが、下水の浄化が適切でないと水質汚濁など問題を起こしてしまうことがあることは
生活するうえで必要であると分かっていても心苦しいものです。



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テーマ:雑記 - ジャンル:日記

ヘリウムと六フッ化硫黄
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。

おおむね水深50mより深い水底での作業ではヘリウムガスを多く含む
「ヘリオックス」(ヘリウム+酸素)やそれに窒素を加えた「トライミックス」と
いわれる混合ガスが呼吸用のガスとして用いられますが、音速の早いヘリウムガス
を多く含む雰囲気で発声される音声を「ヘリウム音声」といいます。

潜水では水深30m(大気の1気圧+30m(3気圧))程度を超えるあたりから、
大気圧に加え水圧により体内で4気圧もの圧縮空気を吸うことになり、
体内の血液に窒素が取り込まれるとともに窒素の麻酔作用により「窒素酔い」と
いわれるお酒に酔ったような症状を催すことがあります。
ただ、深海になればなるほど意識がもうろうになるとともに、水上に
出たときに血管中に泡が発生し血管を詰まらせる潜水病などの恐れが
あるため、、窒素ではなく体内に血液の中にガスを取り込みにくい
ヘリウムを混ぜたガスが使われます。

この「ヘリウム音声」はヘリウムガスが空気中の音速の約2.9倍と速く、
元の声が甲高くなることから「ドナルドダック」ボイスといわれますが、
深海では水圧などで10気圧(水深90m)にもなると、ほとんど
話している内容を理解できなくなるといいます。

そのため、近年ではヘリウムガスにより変化した音声を変声する音の成分と
変わらない音の成分に弁別し、変声した音の成分だけを元の波長の音に修復する
高度な演算処理を瞬時に行うDSP(デジタル信号処理)で元の音声に近づける
ヘリウム音声修正機が実用化され、深海潜水の交信に用いられています。

ちなみにヘリウム音声で話の内容が理解しやすいのはドイツ語や日本語で
理解しにくいのはフランス語や英語といわれていますが、日本で
ヘリウムガス玩具が販売される一方で、日本人に英語で会話できる人が
多いわけではないというのは興味深いことです。


余談
 きょう(2009年12月7日)の日本テレビ系「世界まる見え」の
海外映像の声変わりのガスの実験で、比重の軽いヘリウムガスとともに
比重の重い(空気の約5.1倍重い)六フッ化硫黄が出てきました。

その出演者は、ガスの入った風船を吸ってヘリウムガスで声が甲高く、
六フッ化硫黄で声が低くなる声変わり実験をしていましたが、不用意な実験は
危険です。

特に六フッ化硫黄は比重が重いため、長く肺の中にガスが残る恐れがあり
ヘリウムガス以上に窒息に気をつける必要があります。

また、六フッ化硫黄は自然界で分解がしにくく、6大温室効果ガスのひとつ
となっています。
地球温暖化防止排出抑制対象ガスの指定物質になっており、番組の中では
吸ったガスとともに風船の中のガスも全部まき散らしていましたが、
フロンガスと同様に大気中への放出の削減が世界的規模で求められています。


※「6大温室効果ガスなのに堂々とまき散らしてもいい」と視聴者に誤解を与えてしまう
 恐れがあるところに今のマスコミの怖さがあるわけですが...



テーマ:雑記 - ジャンル:日記

ガス鉄砲
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。

最近ですが、ガスにまつわる事故というのが増えているような気がします。

先日(2009年11月16日)は京都市の製薬会社で廃液を処分していたドラム缶が爆発し、
JR高架を隔てた120m先の駐車場に落下したという話があります。

16日午後1時40分ごろ、京都市南区吉祥院西ノ庄門口町の製薬会社「日本新薬」の敷地内で、廃液処理中のドラム缶が爆発した。ドラム缶はすぐそばのJR東海道線西大路駅や東海道新幹線の高架を越えて南東へ約120メートル飛び、民間の駐車場(同区唐橋西平垣町)に落下した。駐車中の車2台の一部が破損したが、けが人はなく、列車の運行にも支障はなかった。
【Yahoo!ニュース:ドラム缶爆発 JR高架越え120メートル 京都(毎日)】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091116-00000024-maip-soci


それから、酸素吸入のボンベを酸素を液化炭酸ガスと取り違える事故。 また、支燃性があるため火気厳禁と
される在宅介護用の酸素ボンベの近くで喫煙したことによる火災で死者も出ています。


このほか、消火器の破裂という事故もありました。
レバーを握ったときに化学反応で急激に容器の内圧が上昇するわけですが、そのときの
内圧は15気圧(1.5Mpa)にもなるといいます。

一般乗用車のタイヤの内圧は2気圧(0.2Mpa)、大型車両のトラック用のタイヤでは
10気圧(1MPa)★ともなりますが、乗用車のタイヤが破裂するとタイヤの近くで作業していれば
タイヤの飛散で大けがをする恐れがありますし、大型タイヤの場合は海外でタイヤにいたずらで
キリを刺した男性が爆風が心臓を直撃し死亡したケースや、日本でも堺市で道路上で停車中の
クレーン車のタイヤが破裂し、わきでとまっていたワゴン車が爆風で大破し、男児も重傷を負う
という事例もあります。

★:10気圧であれば、例えば10cm四方の面積に軽自動車の重量を超える900kgもの圧力が
  かかることを意味します。 またタイヤの内容積の9倍の気体がほとんど瞬間的に放出されることに
  なるため、タイヤの破片や周囲の物体、ガラスの破片などを周囲に吹き飛ばす危険性があります。

では、ヘリウムガスのガスボンベの場合はどうなのでしょうか?
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バルーン配布などに用いられるヘリウムガスのガスボンベは150気圧(15MPa)の圧力で
ガスが詰められています。
(7立方メートル(立米)の場合、内容積約47リットル×150気圧(大気圧の150倍の圧力で
 7000リットルとなります。150気圧は自動車用タイヤの約75倍、大型車両タイヤの15倍。)

この高圧力のガスをそのまま使うことはできないので、2つの圧力計の間に挟まれた圧力調整器で
2気圧程度にまで下げてバルーンなどの注入に使うわけです。

ヘリウムガスは不燃性(不活性)なので火を伴う爆発はないのですが、圧力差による爆発は
起きることがあります。

例えば液体ヘリウムは気化するときに700倍もの体積になりますが、密封された容器などに
液体ヘリウムを入れれば、容器がガスの膨張に耐え切れなければ爆発します。
(MRI装置の内部の超伝導コイルの一部の温度が上昇し、超伝導状態を維持できなくなるクエンチ現象
 でコイルの温度の連鎖的な急上昇が起こると、冷媒の液体ヘリウムが急激に気化膨張し、装置から
 大気中にヘリウムガスが放出されることがあります。
 以前、MRI装置が液体ヘリウムのパイプに水滴が付くなどして管を塞ぎ爆発することが
 ありました。 液体ヘリウムは気化の際、空気を置換するため窒息事故の危険性もあります。
 また酸素が液化する温度は液体ヘリウムよりかなり高いため、放置した液化ヘリウムに空気中の
 酸素が液化して液体酸素が溶け込むと、反応性の高い液体酸素による爆発の恐れがあります。)

【YouTube:MRIクエンチング】
http://www.youtube.com/watch?v=V_8uQFKa6EU
【YouTube:MRI crash】
http://www.youtube.com/watch?v=sceO38idjic
【YouTube:Exploding MRI(MRI装置の爆発)】
http://www.youtube.com/watch?v=uxjOn5fCoAw

また、ヘリウムガスボンベ本体や付属品は消耗品で、なおかつ高圧部には150kg/cm2もの
圧力がかかっており、使っていれば金属疲労による強度の劣化もありますし、バルブなど
可動部の磨耗やさびなどの劣化も起きます。
つまり不意に事故が起きてしまうこともあるわけです。

ボンベは不特定多数の人が使いまわすことも多いもの。スキル不足の人が扱うとバルブを
手で回さずペンチ回して閉めてしまうと一発でバルブを閉めてもガスが漏れ続けていつしか
空になる役立たずのボンベになり、修理や耐圧検査が必要になります。
また、圧力調整器のダイヤルは緩んだ状態で圧力を調整して使うものですが、閉めてしまう
ものだと勘違いする人がいると、低圧系にボンベの圧力がかかりあっさりと低圧側の圧力計を
はじめとする器具を破壊してしまうこともあるものです。
それから、急激にバルブを開けると圧力調整器に急激にボンベの高圧力がかかることによる
断熱圧縮により900℃程度(150気圧時)まで温度が上昇し、高圧に高温の負荷のかかった
圧力調整器が破壊する恐れもあります。

一般には、記されていないことかもしれませんが、バルブを操作するときにバルブの上や
圧力計の表示パネルなどから頭を離すのは鉄則です。

バルブではなく大元のボンベのねじが緩んだときに危険ですし、圧力計の中の高圧力のかかる
金属製のブルドン管が破裂した場合、圧力計のパネルを吹き飛ばし破片が飛んでくる可能性が
あるからです。(圧力調整器の誤操作等)
09112792.jpg

また、ボンベの置き場所は気をつけなければいけません。
ボンベが機械的に弱いのはバルブのある頭部。 ボンベとバルブの間のパイプなどを折損すると、
ボンベの重量50~60kgに対し内圧が高いので(最高150kg/cm2程度)、ボンベの
内圧によってはボンベが暴れたり、最悪の場合ボンベがロケットのように飛び出すこともあります。
(2001年には廃棄する空気用ボンベを処理中にガスが噴出し、70m先の道路向かいの
車の販売店の2階ショーウインドウを突き破り、展示していたベンツ数台を傷つけた事例も
あります。)

ガスの取扱いについては、ガス販売店の指示書もいいですが、化学実験の手引書が
大いに役に立つだろうと思います。
(ガスの種類によっては、バルブの回す向きはもとより、アセチレンや水素、酸素や塩素、特殊ガスなど
詰めた物質がボンベをさびさせるためボンベの長期保存の利かないものや、ボンベに強い衝撃を
与えるだけで爆発するもの、バルブを一気に開けるだけで自然発火するものなど取扱いに一層気を
つけないといけないものがあります。 そういう意味では物質の違いに興味がわくことでしょう。)

↓「実験を安全に行うために(化学同人)」
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最後に
「落下」といえば、イギリスの東芝が「‘Space Chair’ ad campaign」という液晶テレビREGZA
の広告キャンペーンを行っています。

【Toshiba premieres new ‘Space Chair’ ad campaign】
http://socialnews.toshiba.co.uk/?ReleaseID=14262

観測気球でバルサで作った軽量のイスをビデオカメラで撮影し、上空3万mまで持ち上げる
プロジェクトです。

これですが、観測気球の破裂後、バルサのイスがバラバラに回転しながら落ちていくのですが、
パラシュートの緩衝落下装置が付いていません。
空気抵抗があっても地上には秒速何十mかそれ以上で落下しただろうことは推測できるわけで
日本ではおそらくできない(やってはいけない)ことでしょう。


※きのう、アメリカの感謝祭の恒例のメイシーズという百貨店のバルーンパレードが行われました。
 世界のヘリウムの消費の1位の消費者はアメリカ軍、2位はこのメイシーズのバルーンパレードと
 いわれています。

 アメリカはヘリウムガスの最大の産出地。 アメリカ軍が最大の消費者であることは現在も
 ヘリウムガスが軍需物資であるとともに、こういうイベントができるのも資源のある国ならでは
 という 「強み」も感じます。


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ギネスブックの弊害
※このブログでは時々バルーン関係の話題を取り上げています。


世界のさまざまな事柄の世界一の記録を網羅した「ギネスブック」(現在の「ギネスワールドレコーズ」)。

その記録の中には、かつて「風船飛ばし(もっとも遠くまで飛んだ記録、もっとも多く放った記録)」が
ありました。

●ギネスブック’81
(遠くまで飛ばした数)1972年5月21日、アメリカ・カリフォルニア州アサートン~南アフリカ共和国・ピーターマリッツバーグ、1万4500km。

(一度に飛ばした数)1976年10月10日、アメリカ・メリーランド州ボルチモアのボルチモア・メモリアルスタジアムから13万個。
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●ギネスブック’85
(遠)1972年5月21日、アメリカ・カリフォルニア州アサートン~南アフリカ共和国・ピーターマリッツバーグ、1万4500km。
(数)1983年7月4日、アメリカ・イリノイ州アイタスカで30万424個。
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日本では1984年11月3日に日本の東京新宿副都心で行われた明星食品のカップラーメン
「青春という名のラーメン」のPRイベントで、1500万円の費用と420人のスタッフを動員し
38万4800個を飛ばしています。


【第2日本テレビ:もぐら骨董堂・風船飛ばしギネス記録の恐ろしき結末。】
http://www.dai2ntv.jp/player/index.html?item_id=NtvI10000457


一方、その頃注目されたアメリカのバルーンアーティストに「トレブ・ヘイニング(Treb Heining)」と
いう人がいます。
その人は1984年のロサンゼルス夏期オリンピックの開会式で大量の白と金の観測気球を
飛ばす演出を担当。

【Youtube;ロサンゼルスオリンピック 開会式】
http://www.youtube.com/watch?v=SH9omF06t18

1985年のウオルトディズニー84周年記念を記念するアメリカディズニーランドのイベントで
110万個の風船を飛ばし、さらに翌1986年9月には150万個の風船飛ばしの記録にも挑戦。
142万個の記録を樹立しました。


●ギネスブック’88
(遠)1982年4月19日、アメリカ・ニューヨーク・ダブズ・フェリー~オーストラリア・
ヴォガヴォガ(シドニー近郊)、1万6090km。

(数)1986年9月27日、アメリカ・オハイオ州クリーブランドで142万9643個。
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↓大量の風船は近隣の湖にも大量に落下しました。
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しかし、新記録の樹立が目的で年々何十万個も増量して風船飛ばしを行うバルーン業者の
環境に無神経な行為に環境保護団体の逆鱗が触れました。



↓アメリカで発行された環境啓発本が日本語にも翻訳され「地球を救うかんたんな50の方法」
 として市場に出回りました。
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1991年に、新聞に掲載されたこの本の書評を見た広島県のとある小学校の生徒や
その保護者らが開校記念日で行う予定だった風船飛ばしの行為の自粛を求め、
生徒の自主的な意思を尊重し学校が容認。
その動きが、全国の学校や自治体のイベントや公共事業工事の完成祝賀行事、
東京ディズニーランドをはじめとする遊園地のイベントなど日本全国に広がりました。

その動きは日本だけに限らず、2000年のシドニー夏期オリンピックにおいて風船飛ばしの
アトラクションが中止されたほどです。

現在、イギリスやアメリカの州や都市、シンガポール、オーストラリアなどで大量の風船飛ばしの
禁止の条例があります。 イギリスは最近になって運動が起こされ始めましたが、これは
国家的な海洋保全団体(MCS)の10年以上にわたる海岸の数値的調査により海岸に打ち寄せる
ゴム風船の量が10年前の3倍にも増えたため。

【Marine Conservation Society(MCSUK):Don't let go balloons】
http://www.mcsuk.org/what_we_do/Clean seas and beaches/Litter campaigns/Don't let go balloons
【MCSUKの風船飛ばし反対キャンペーンのパンフレット(英語)】
http://www.mcsuk.org/downloads/pollution/dont%20let%20go.pdf
【MCSUK】
http://www.mcsuk.org/
※MCSではあわせてビニール袋の削減キャンペーンも行われています。

【BBC NEWS:Biologists call for balloon ban】
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7447381.stm

また、海洋汚染防止条項を含む1972年に制定されたロンドン条約というものがありますが、
海に囲まれたわが日本もその条約に批准し、近年まで行われていた船による人糞の
海洋投棄を廃止。
そして、日本は今年(2009年)の7月には「海岸漂着物処理推進法」という法律が公布・施行され
海岸のゴミの清掃処理の推進のために我々の血税が投入されることになりました。


一方で、カリフォルニア州とハワイの間のアメリカ・テキサス州の2倍★もの大きさがある太平洋の
ゴミ海域「太平洋ゴミベルト」の問題。
海流の流れから見ても日本からかなりの量のゴミが流れ着いているのでは思われます。
海に捨てれば何とかなるとは限りません。
【ナショナルジオグラフィック・太平洋ゴミベルト”の実態調査】
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=68541809

★:テキサス州の2倍の面積は、日本の陸地面積でいえば約3.7倍


現在のギネスブックには風船飛ばしにまつわる掲載はありませんが、社会的な環境保全問題として、
欧米のいくつもの環境保護団体による反対運動や国や地方自治体の規制条例が実効している一方で、
規制の行われていない国であっても、複数の環境保護団体の英語で記載されたインターネットサイトを通じ、
英語を母国語・共通語・公用語とする多くの国々の人々には大量の風船飛ばしの弊害の情報が知られており、
さらに近年の複数の環境団体の調査でさらに海棲生物への影響が問題になっている
こと。
(日本では規制がないからと闇雲な数で行えば、海外の生物保護団体から「日本は先進国なのに
環境政策は後進国だ」とあなどられる可能性があるわけです。)

そして特に数の記録の更新は先の142万個※を超えなければならず、環境汚染を助長する恐れが
高いことから、各国の条例や環境問題に密接に関係する風船飛ばしにまつわるギネスブックの
再掲載は厳しいと思われます。

※1994年12月にはガス企業BOCなどにより、170万個規模の風船飛ばしが行われています。
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風船飛ばしで野生生物の命が奪われます!

エコ風船を含む天然ゴム風船の大量の風船飛ばしは、野生生物の誤飲や絡まり事故の原因となり命を落とします。

欧米では天然ゴム風船(エコ風船)による風船飛ばしが、分解前の風船の誤飲ひもの絡まりにより命を落とす原因となることが分かっています。

mcs15.jpg

このブログでは野生生物に影響を及ぼす1万個を超える悪質な風船飛ばし(バルーンリリース)に反対します!

日本では、業界により「土にかえるから環境に優しい」という風船飛ばしの安全PRが行なわれていますが、野生生物に対する十分な影響調査が行なわれていません。ご賛同される方はJEAN・クリーンアップ全国事務局日本ウミガメ協議会などの環境団体に提言をお願い致します。



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