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空とぶものの誘惑
仙台・宮城の情報のほか、さまざまなことを書いています。
ガス鉄砲
※このブログでは、時々バルーン関係の話題を取り上げています。

最近ですが、ガスにまつわる事故というのが増えているような気がします。

先日(2009年11月16日)は京都市の製薬会社で廃液を処分していたドラム缶が爆発し、
JR高架を隔てた120m先の駐車場に落下したという話があります。

16日午後1時40分ごろ、京都市南区吉祥院西ノ庄門口町の製薬会社「日本新薬」の敷地内で、廃液処理中のドラム缶が爆発した。ドラム缶はすぐそばのJR東海道線西大路駅や東海道新幹線の高架を越えて南東へ約120メートル飛び、民間の駐車場(同区唐橋西平垣町)に落下した。駐車中の車2台の一部が破損したが、けが人はなく、列車の運行にも支障はなかった。
【Yahoo!ニュース:ドラム缶爆発 JR高架越え120メートル 京都(毎日)】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091116-00000024-maip-soci


それから、酸素吸入のボンベを酸素を液化炭酸ガスと取り違える事故。 また、支燃性があるため火気厳禁と
される在宅介護用の酸素ボンベの近くで喫煙したことによる火災で死者も出ています。


このほか、消火器の破裂という事故もありました。
レバーを握ったときに化学反応で急激に容器の内圧が上昇するわけですが、そのときの
内圧は15気圧(1.5Mpa)にもなるといいます。

一般乗用車のタイヤの内圧は2気圧(0.2Mpa)、大型車両のトラック用のタイヤでは
10気圧(1MPa)★ともなりますが、乗用車のタイヤが破裂するとタイヤの近くで作業していれば
タイヤの飛散で大けがをする恐れがありますし、大型タイヤの場合は海外でタイヤにいたずらで
キリを刺した男性が爆風が心臓を直撃し死亡したケースや、日本でも堺市で道路上で停車中の
クレーン車のタイヤが破裂し、わきでとまっていたワゴン車が爆風で大破し、男児も重傷を負う
という事例もあります。

★:10気圧であれば、例えば10cm四方の面積に軽自動車の重量を超える900kgもの圧力が
  かかることを意味します。 またタイヤの内容積の9倍の気体がほとんど瞬間的に放出されることに
  なるため、タイヤの破片や周囲の物体、ガラスの破片などを周囲に吹き飛ばす危険性があります。

では、ヘリウムガスのガスボンベの場合はどうなのでしょうか?
09112791.jpg

バルーン配布などに用いられるヘリウムガスのガスボンベは150気圧(15MPa)の圧力で
ガスが詰められています。
(7立方メートル(立米)の場合、内容積約47リットル×150気圧(大気圧の150倍の圧力で
 7000リットルとなります。150気圧は自動車用タイヤの約75倍、大型車両タイヤの15倍。)

この高圧力のガスをそのまま使うことはできないので、2つの圧力計の間に挟まれた圧力調整器で
2気圧程度にまで下げてバルーンなどの注入に使うわけです。

ヘリウムガスは不燃性(不活性)なので火を伴う爆発はないのですが、圧力差による爆発は
起きることがあります。

例えば液体ヘリウムは気化するときに700倍もの体積になりますが、密封された容器などに
液体ヘリウムを入れれば、容器がガスの膨張に耐え切れなければ爆発します。
(MRI装置の内部の超伝導コイルの一部の温度が上昇し、超伝導状態を維持できなくなるクエンチ現象
 でコイルの温度の連鎖的な急上昇が起こると、冷媒の液体ヘリウムが急激に気化膨張し、装置から
 大気中にヘリウムガスが放出されることがあります。
 以前、MRI装置が液体ヘリウムのパイプに水滴が付くなどして管を塞ぎ爆発することが
 ありました。 液体ヘリウムは気化の際、空気を置換するため窒息事故の危険性もあります。
 また酸素が液化する温度は液体ヘリウムよりかなり高いため、放置した液化ヘリウムに空気中の
 酸素が液化して液体酸素が溶け込むと、反応性の高い液体酸素による爆発の恐れがあります。)

【YouTube:MRIクエンチング】
http://www.youtube.com/watch?v=V_8uQFKa6EU
【YouTube:MRI crash】
http://www.youtube.com/watch?v=sceO38idjic
【YouTube:Exploding MRI(MRI装置の爆発)】
http://www.youtube.com/watch?v=uxjOn5fCoAw

また、ヘリウムガスボンベ本体や付属品は消耗品で、なおかつ高圧部には150kg/cm2もの
圧力がかかっており、使っていれば金属疲労による強度の劣化もありますし、バルブなど
可動部の磨耗やさびなどの劣化も起きます。
つまり不意に事故が起きてしまうこともあるわけです。

ボンベは不特定多数の人が使いまわすことも多いもの。スキル不足の人が扱うとバルブを
手で回さずペンチ回して閉めてしまうと一発でバルブを閉めてもガスが漏れ続けていつしか
空になる役立たずのボンベになり、修理や耐圧検査が必要になります。
また、圧力調整器のダイヤルは緩んだ状態で圧力を調整して使うものですが、閉めてしまう
ものだと勘違いする人がいると、低圧系にボンベの圧力がかかりあっさりと低圧側の圧力計を
はじめとする器具を破壊してしまうこともあるものです。
それから、急激にバルブを開けると圧力調整器に急激にボンベの高圧力がかかることによる
断熱圧縮により900℃程度(150気圧時)まで温度が上昇し、高圧に高温の負荷のかかった
圧力調整器が破壊する恐れもあります。

一般には、記されていないことかもしれませんが、バルブを操作するときにバルブの上や
圧力計の表示パネルなどから頭を離すのは鉄則です。

バルブではなく大元のボンベのねじが緩んだときに危険ですし、圧力計の中の高圧力のかかる
金属製のブルドン管が破裂した場合、圧力計のパネルを吹き飛ばし破片が飛んでくる可能性が
あるからです。(圧力調整器の誤操作等)
09112792.jpg

また、ボンベの置き場所は気をつけなければいけません。
ボンベが機械的に弱いのはバルブのある頭部。 ボンベとバルブの間のパイプなどを折損すると、
ボンベの重量50~60kgに対し内圧が高いので(最高150kg/cm2程度)、ボンベの
内圧によってはボンベが暴れたり、最悪の場合ボンベがロケットのように飛び出すこともあります。
(2001年には廃棄する空気用ボンベを処理中にガスが噴出し、70m先の道路向かいの
車の販売店の2階ショーウインドウを突き破り、展示していたベンツ数台を傷つけた事例も
あります。)

ガスの取扱いについては、ガス販売店の指示書もいいですが、化学実験の手引書が
大いに役に立つだろうと思います。
(ガスの種類によっては、バルブの回す向きはもとより、アセチレンや水素、酸素や塩素、特殊ガスなど
詰めた物質がボンベをさびさせるためボンベの長期保存の利かないものや、ボンベに強い衝撃を
与えるだけで爆発するもの、バルブを一気に開けるだけで自然発火するものなど取扱いに一層気を
つけないといけないものがあります。 そういう意味では物質の違いに興味がわくことでしょう。)

↓「実験を安全に行うために(化学同人)」
09112793.jpg


最後に
「落下」といえば、イギリスの東芝が「‘Space Chair’ ad campaign」という液晶テレビREGZA
の広告キャンペーンを行っています。

【Toshiba premieres new ‘Space Chair’ ad campaign】
http://socialnews.toshiba.co.uk/?ReleaseID=14262

観測気球でバルサで作った軽量のイスをビデオカメラで撮影し、上空3万mまで持ち上げる
プロジェクトです。

これですが、観測気球の破裂後、バルサのイスがバラバラに回転しながら落ちていくのですが、
パラシュートの緩衝落下装置が付いていません。
空気抵抗があっても地上には秒速何十mかそれ以上で落下しただろうことは推測できるわけで
日本ではおそらくできない(やってはいけない)ことでしょう。


※きのう、アメリカの感謝祭の恒例のメイシーズという百貨店のバルーンパレードが行われました。
 世界のヘリウムの消費の1位の消費者はアメリカ軍、2位はこのメイシーズのバルーンパレードと
 いわれています。

 アメリカはヘリウムガスの最大の産出地。 アメリカ軍が最大の消費者であることは現在も
 ヘリウムガスが軍需物資であるとともに、こういうイベントができるのも資源のある国ならでは
 という 「強み」も感じます。

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